ロシアのクルスク州に派遣された北朝鮮軍の将軍がウクライナ軍の攻撃で負傷したと、ウォール・ストリート・ジャーナルが西欧関係者の話として21日(現地時間)付で報じた。
ウォール・ストリート・ジャーナルは、北朝鮮軍の高官が負傷したと伝えられたのは今回が初めてだとし、匿名の官僚らの話を引用してこのように報道した。米国当局は、クルスク州に北朝鮮兵1万人以上が投入され、ロシア軍とともに奪還作戦を準備していると明らかにしている。韓国のチョ・テヨン国家情報院長は20日、国会情報委員会で「北朝鮮兵約1万1千人がロシア北東部で適応訓練を終え、先月下旬頃、クルスクに配置されたことが把握される」と述べたと、情報委所属の与野党の幹事らが明らかにした。国家情報院は、北朝鮮軍がロシア軍の空輸旅団と海兵隊に配属され、戦術およびドローン対応訓練を受け、一部は戦闘に参加したことが把握されると述べた。
ウォール・ストリート・ジャーナルは、負傷したという北朝鮮軍の高官の身元は確認されていないと報じた。これに先立ち、国家情報院は朝鮮人民軍総参謀部のキム・ヨンボク副総参謀長がロシアに派遣されたと明らかにした。またウクライナ政府は、ロシアに派遣された北朝鮮軍は将校500人余りが率いており、リ・チャンホ偵察総局長やシン・グムチョル少将などの北朝鮮軍高官も派遣されたと述べた。
米国のジョー・バイデン大統領は先日、北朝鮮軍に「代償」を払わせ、追加派兵を阻止するという趣旨で、ウクライナ軍にこれまで禁止してきたミサイル「ATACMS」を利用したロシア領土への攻撃を許可した。ロシア国防省は、ウクライナ軍が18~19日にかけて自国のブリャンスクにATACMS6発を発射したが、5発は撃墜し、1発には打撃を与えたと公表した。
ウクライナ軍は20日、英国が供与したミサイル「ストームシャドー」でロシア領土を打撃した。ウォール・ストリート・ジャーナルは映像分析の結果、これらのミサイルが戦線から30キロ余り離れたクルスク州のロシア政府施設を打撃し、大きな爆発音を起こしたことが把握されたと報じた。あるロシアのブロガーは、北朝鮮兵数人がそこに設けられた指揮所にいたと主張した。
米国は、北朝鮮軍がロシア軍と共に戦闘に出ればウクライナ軍の「適法な標的」になると警告してきた。米国家安全保障会議のジョン・カービー戦略広報調整官は、北朝鮮軍が「容易な標的」になるとも述べている。