本文に移動

牛に踏まれて、蹴られ…英国では突然の「牛の群れによる襲撃」に注意

登録:2024-09-14 05:39 修正:2024-09-20 11:15
95%以上の放牧が原因…4年間で22人死亡
2020年4月、英国スコットランドのある放牧場で牛が草を食べている/EPA・聯合ニュース

 英国で散歩をしていた女性が、突然現れた牛の群れによる攻撃を受け、危うく死亡するところだったことが報じられた。

 12日(現地時間)英国ガーディアン紙は、グレーター・マンチェスター地区のストックポートで家族との散歩中に牛の群れの襲撃を受けた女性のニュースを報じた。ジル・ギルモアという名の女性は、夫のマークさんとペット犬「フィネガン」と一緒に散歩道を歩いていたところ、突然現れた20~30頭の牛の群れから攻撃を受けて地面に倒れた。幸い夫が妻を助けて起こし、牛の群れを別の場所に誘導したおかげで、最悪の事態は免れた。しかし、牛に踏まれて致命傷を負った。

 ガーディアンによると、ギルモアさんは左右の骨盤と肋骨12カ所、首と腕の骨2カ所が折れた。肺にも損傷を受け、頭と足首も負傷した。3日間にわたる手術後、2週間の集中治療が続き、このうち10日間は人工呼吸器を装着しなければならなかった。リハビリ治療も3カ月間受けた。ギルモアさんは歩くことから練習しなければならなくなり、自転車ももう乗ることができないという。しかし外科医は、ギルモアさんは運がいい方に属するとして、散歩道に1人でいたら死んでいたと述べた。

2022年4月、英国南部のある放牧場で牛が草を食べている/EPA・聯合ニュース

 英国では、散歩道を歩いていた歩行者が、牛の群れによる攻撃を受けて死亡したり、深刻な重症を負うことが頻繁に起きる。英国では、牛の95%以上(2019年時点)を放牧して育てるため、牛と「望まない遭遇」をする可能性が相対的に高い。牛の群れによる攻撃は、英国の農業で最もありふれた死亡原因の1つであり、狭い英国で最も危険な動物の1つだと、ガーディアンは報じた。

 同紙は、英国保健安全庁(HSE)の統計と傘下の農業産業諮問委員会に提出された資料などを引用し、2019年3月~2023年3月までに英国で牛の群れによる攻撃で死亡した畜産業者と市民は22人に達すると報じた。負傷者まで含めると、被害規模はさらに大きくなり、2015~2021年までに257件の関連事故が発生した。2017年7月以降にある民間団体に届けられた牛関連の事故も889件(スコットランドを除く)となった。

 また、牛に関連する事故が頻繁に発生する理由の一つとして、牛の大きさを挙げた。英国で農家が育てる牛の平均の重さは620キログラム。保健安全庁のウェイン・オーウェン首席検査官はガーディアンに、「牛は自らの大きさを認知できないようだ」として、「牛は前にいる人たちの体格を考慮せずに通り過ぎる。牛たちはあなたを押し出すだろう。牛たちは一つの群れのように動くため、1頭が走れば残りも走りだす可能性が非常に高い」と説明した。

 ペット犬も事故の危険を高める要素だ。牛がペット犬を脅威と認識するためだ。ガーディアンは、リバプール大学の2017年の研究結果を引用し、過去20年間に報告された54件の牛による攻撃事件のうち3分の2が、ペット犬を伴っていたケースであり、死亡に至ったケースは94%に達したと報じた。

 事故を防ぐためには、視野に牛の警告表示板があるかどうかをよく確認し▽牛の群れの間を通り過ぎず▽子牛と牛を引き離さないよう助言した。さらに、牛がいる野原では、走るのではなく速く静かに歩き▽牛を興奮させる可能性がある突然の動きや携帯電話の使用を避けるべきであり▽ペット犬と一緒にいるときは首輪などでペット犬を厳しく統制し、脅威を感じた場合は、逆に犬を放すようにと補足した。

シム・ウサム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1158458.html韓国語原文入力:2024-09-13 17:57
訳M.S

関連記事