4年5カ月ぶりに開かれた韓中日首脳会議について、米国の主要メディアは、経済協力の強化などには合意したが、中国を狙う韓米日安保協力の強化で明らかな限界も露呈したと評した。
ニューヨーク・タイムズ紙は27日、「韓中日は米国の影の中で首脳会議を行った」という見出しの記事で、韓日の指導者たちにとっては経済的理由から対中関係の改善が必要な状況で首脳会議が開かれたと報じた。また、中国は韓日に自国市場への接近の拡大を掲げることで、米国の影響力を減らすことを目指していたと分析した。一方、同紙は「韓日の指導者たちは、最も大きな貿易パートナーである中国との経済協力回復を追求」したが、「会談には韓日の最も重要な軍事同盟である米中間の緊張の高まりという影が差していた」と報道した。
首脳会議は3カ国における共通の利害が明らかなサプライチェーンの保護、貿易の促進、高齢化対応をめぐる協力、感染症問題などに力を入れたが、北朝鮮と台湾問題については慎重なアプローチを示したと、同紙は評した。また、中国は米国をアジア問題に干渉する外部勢力として認識させようと努力しているが、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が対米密着強化政策を展開する中で、今年米国が中国を抜いて韓国の最大輸出市場になったと報じた。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙は「協力に向けたあらゆる提案にもかかわらず、韓日には欧州と同じように中国と経済的に近づくのに限界がある」としたうえで、「保護主義に反対しようという中国の呼びかけにもかかわらず、3カ国はこのための明確な計画に合意できなかった」と報道した。同紙は、これが協力とパートナーシップという外交的レトリックの裏側で軍事・安保問題に対する大きな隔たりがあるためだと分析した。このような分裂は、尹大統領と日本の岸田文雄首相だけが北朝鮮を牽制する立場を明らかにし、岸田首相が台湾をめぐる中国の軍事活動を注視すると発言したことで明らかになったと報じた。
同紙はまた「韓日はワシントンとの政治的関係を損ねる可能性があるため、米国の関税賦課に対抗して公然と中国と連帯することはできないだろう」との見通しを出した。しかし韓日は、米国の一方的な政策が同盟国を中国にさらに接近させる可能性があることを、今回の首脳会議などを通じて間接的に示すことができるという指摘もあると報じた。
AP通信は、「東アジア3カ国は経済的、文化的に緊密につながっているが、日本の侵略史、中国の世界的影響力強化の試み、米国のアジア同盟強化の努力が関係改善に障害として働いている」と分析した。
輸出統制と高率関税など米国の圧迫を受ける中国が韓日との関係改善で突破口を探そうとしているが、思い通りにはならないという指摘は、今回の首脳会議に対する米国側の全般的な見方と評価を反映するものとみられる。