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「数十万台の監視カメラがあるのに…」ロシアはなぜテロ犯逮捕に5時間かかったのか

登録:2024-03-28 06:40 修正:2024-03-28 07:15
ロシア、米国・英国の支援を主張
24日、モスクワ郊外のコンサート会場「クロカス・シティ・ホール」にテロ攻撃の犠牲者を追悼する花が置かれている/タス・聯合ニュース

 ロシアのモスクワ郊外にあるコンサート会場「クロカス・シティ・ホール」で137人の犠牲者を出した「モスクワテロ」をめぐり、ロシア連邦保安局(FSB)の局長が、今回の事件の背後にはウクライナだけでなく西側国家が存在すると主張した。

 FBSのアレクサンドル・ボルトニコフ局長は26日(現地時間)、「イスラム過激派が今回のテロを準備したと考えているが、もちろん西側も支援した」とし、「西側国家」として米国と英国を挙げた。ロシア国営タス通信などが報じた。さらにボルトニコフ局長は「ウクライナの特殊部隊もこれと直接関係がある」と主張した。

 22日夜の事件発生後、ウクライナは今回のテロへの関与疑惑を何度も否認してきた。米国もテロ発生の半月前の7日に、モスクワへのテロ攻撃の可能性をロシアに警告している。

 ロシアも、今回のテロに対する警告が事前にあり、自分たちも自らの情報でテロの可能性をある程度は認知していたことを認めているが、実際にテロが発生すると責任を他者に転嫁している。

 米国ワシントン・ポスト紙の報道によると、ボルトニコフ局長は昨年10月、旧ソ連の10カ国の共和国で構成される独立国家共同体(CIS)の国家保安局局長会議で、イスラム過激派武装集団「イスラム国」(IS)の支部である「ISホラサン州」には6500人以上の構成員が存在し、「近いうちに」根拠地であるアフガニスタンを越え、ロシアに対する攻撃が起こりうると警告した。

 しかし、ボルトニコフ局長は26日、米国の「テロ警告」を確認はしたが、それは「一般的な性格の情報」だと主張した。さらにボルトニコフ局長は「この情報に対しては必要な措置を講じたが、残念なことに特定のグループや個人については、当時はテロ情報は確認されなかった」と付け加えた。また、ボルトニコフ局長は「米国と英国の情報機関である中央情報局(CIA)と海外情報局(MI6)が、タジキスタンを含むCIS諸国の南部国境を不安定化させる目的で、アフガニスタン側に干渉を試みている」とし、「両国の情報機関がアフガニスタンの様々な一次領域で情報活動を復活させている」と主張した。

 テロ発生から4日が経過し、事件の転末も少しずつ明らかになっている。ロシア情報当局がプーチン大統領に報告したとされる内容によると、テロ実行犯は午後6時45分頃、コンサート会場の近くに到着。その後、観客が最も密集する公演開始の直前まで現場で待機し、午後7時58分に本格的な攻撃を加え始めた。まず道路で市民に銃撃を加えた後、コンサート会場に進入し、約13分間犯行を続けた。ワシントン・ポストによると、ロシア警察の特殊部隊は、銃撃開始から1時間たっても現れず、現場に到着後も30分以上建物への進入が遅れたことがわかった。実際に警察が現場に進入したときには、すでにテロ実行犯はコンサート会場を去ってからしばらく時間が経過していた。

 テロ実行犯は現場から脱出した後、2007年式の白いルノーの車に乗ってロシアを脱出しようとした。実行犯らは約5時間後、ウクライナとベラルーシの国境地帯で捕まった。これについてワシントン・ポストは、「ロシアにはモスクワだけで22万1000台の監視カメラが設置されており、相当数は暗視機能を備えているにもかかわらず、容疑者らは5時間以上運転して逃亡した」とし、「彼らはウクライナとベラルーシへの分岐点の近くで捕まった」と報じた。プーチン大統領は、テロ発生翌日の23日に出したテロ関連の初めての発言で、容疑者がウクライナに向かっていたとしてウクライナ背後説を持ちだした。

ホン・ソクチェ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1134116.html韓国語原文入力:2024-03-27 17:24
訳M.S

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