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韓国政府、新韓日宣言を推進…「過去をすべて乗り越える未来指向」強調

登録:2024-03-14 07:53 修正:2024-03-14 09:08
来年の国交正常化60年を契機に 
「中国けん制」の内容が加えられる可能性 
大統領室、強制動員問題「楽観」
尹錫悦大統領が昨年5月7日、ソウル市龍山の大統領室で日本の岸田文雄首相と首脳会談を行うのに先立ち、韓米首脳会談の際に米国のジョー・バイデン大統領からもらった野球関連のプレゼントについて説明している=大統領室提供//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が、来年の韓日国交正常化60年を機に、両国の首脳が新たな共同宣言文を発表する案を推進する意向を表明した。「過去のすべてを乗り越える未来指向」を強調し、韓国と日本の協力を事実上中国をけん制するインド太平洋地域に拡大しようとする動きを示しており、物議が予想される。

 大統領室高官は先日、日本メディアのソウル駐在特派員らと面会し、「1998年の金大中(キム・デジュン)・小渕宣言は、大きな枠組みで新たな100年に向けた両国の政治的な合意として非常に成功したものであり成果を上げたが、その後に生じた障害物や挑戦の要因、国際情勢の変化を反映する時期が来ているのがは明らかだ」と述べ、新たな韓日共同宣言を推進する意向を表明した。

 同高官は「朝鮮半島だけでなく、韓国と日本が一緒に眺めるビジョンも、地理的にもっと拡張しなければならない」としたうえで、「過去をすべて乗り越える未来指向的な約束、希望事項を盛り込む必要がある。そうした準備を今後少しずつ日本と協議していく予定だ」とも述べた。

 尹政権は、1998年10月に東京で当時の金大中大統領と日本の小渕恵三首相が発表した「韓日共同宣言-21世紀に向けた新たな韓日パートナーシップ」を発展させ、新たな共同文書を作成する意向を明らかにしたということだ。当時の宣言の際に日本は、植民地支配に対する「痛切な反省」を表明し、韓国は日本の「歴史認識の表明を真摯に受けとめ」たうえで、この二つをもとに未来指向的な関係を発展させることを確認した。新たに作成を推進する共同宣言にこのような内容が含まれるかどうかは明らかでない。

 読売新聞などの日本メディアは13日、韓国大統領府高官が11日に同紙などの一部メディアの取材に応じ、「日韓国交正常化60年となる来年に合わせ、両国首脳による新たな共同文書を発表したいとの考えを示した」とし「日本側に協議を持ちかけたい構えだ」と報じた。

 日本メディアは、同高官が「価値を共有する(日米韓)3カ国がインド太平洋地域で主導権を発揮し始めた」とし「新たな共同文書では、日韓が協力すべき地理的な範囲を朝鮮半島以外にも拡大し、『過去を乗り越える未来志向的な約束などを盛り込む必要がある』と強調した」と報じた。読売新聞は「インド太平洋地域が念頭にあるとみられる」と伝えた。

 韓国と日本の協力をインド太平洋地域に拡大することは、中国をけん制することに韓国が本格的に参加するという意味と読み取れる。日本は中国を対象とする「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)という概念を、安倍晋三元首相の時から外交戦略として前面に出しており、米国がその構想に同調した後、米日は欧州やアジアなどの各国に協力を訴えている。尹政権も2022年12月に報告書「自由、平和、繁栄のインド太平洋戦略」を発表している。

 大統領室高官は、韓国と日本の関係の最大の争点の一つである強制動員被害者への賠償問題も楽観視していると日本メディアは報じた。尹政権が強行している、日本企業の代わりに韓国の日帝強制動員被害者支援財団が賠償金を支払う「第三者弁済」の資金不足問題について、「(ポスコ以外の)韓国企業の追加寄付の意向がある。最終的にうまく解決されるだろう」と同高官は述べた。

東京/キム・ソヨン特派員、ペ・ジヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1132071.html韓国語原文入力:2024-03-13 21:44
訳M.S

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