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中国外相「朝鮮半島で二度と戦争起きてはならぬ…冷戦への逆戻りは歴史的責任伴う」

登録:2024-03-08 06:35 修正:2024-03-08 07:11
米国に対し「中国の弾圧に没頭すれば自らを害する」
7日、中国北京の全国人民代表大会メディアセンターで、王毅外交部長(外相)兼共産党中央政治局委員が記者会見に臨んでいる=北京/新華社・聯合ニュース

 中国の年次最大の政治行事で、外交司令塔の王毅外交部長(外相)兼共産党中央政治局委員が「米国が中国を弾圧することに没頭すれば自らを害するだろう」と述べた。

 王外相は7日、北京の全国人民代表大会(全人代)のメディアセンターで、「中国の外交政策と対外関係」をテーマにした国内外のメディア向け記者会見を開き、100分近く質疑応答を行った。米国との関係については、「昨年、米サンフランシスコで開かれた(米中首脳)会談後、中国と米国の関係は若干の進展を遂げた」としながらも、「しかし、中国に対する米国の誤った認識が続いており、約束がきちんと守られていない」と語った。さらに「米国は中国に対する新しい圧迫手段を加えており、一方的な制裁リストも増えるなど、(中国に)罪をかぶせようとすることが想像できないほど」だとしたうえで、「米国の言葉と行動が食い違っているのなら、大国の信頼はどこにあるのか」と問い返した。

 王外相の同日の米国に対する批判発言は、昨年に比べると低いレベルだ。昨年3月、全人代の記者会見を行った秦剛前外相は、「米国がブレーキを踏まず、誤った道に進み続ければ、災いのような結果を招くだろう」、「米国はただ中国をライバルとみて、『どちらか死ぬか生きるか』のゼロサムゲームをしている」などと発言した。米国を批判するという点は同じだが、表現の強さという面では違いがある。

 これは昨年と今年の米中関係が異なるためとみられる。昨年は両会が開かれる約1カ月前に米軍が中国の「高高度気球」を撃墜し、米中関係が冷え込んだ中で記者会見が行われたが、今年は昨年11月にジョー・バイデン米大統領と習近平国家主席がサンフランシスコで首脳会談を行い、両国関係の安定化に合意した後、記者会見が行われた。

 王外相は「我々は終始米国との対話と意思疎通を強化し、各界の友好的交流を進めてより多くの理解の橋を架けることで、不要な誤解と偏見を取り除くことを望んでいる」と述べた。

 台湾問題に対する口調も昨年より和らいだ。王外相は台湾問題に関する質問に「平和統一のために最善の努力を続ける」とし、「レッドラインは明らかだ。我々は台湾が祖国から切り離されることを決して容認しない」と述べた。今年1月に行われた台湾総統選挙について、「台湾の選挙は中国の地方選挙に過ぎない」とし、「選挙結果は、台湾が中国の一部という基本的な事実を変えることも、台湾が必ず祖国に戻るという歴史の大勢を変えることもできない」と語った。昨年、秦前外相は同じ質問に赤い中国憲法を手に「誰も国家主権と領土の完全性を守ろうとする中国政府と人民の決然とした決心、堅固な意志、強大な能力を過小評価してはならない」と答えた。

 同日、王外相は朝鮮半島問題に対する意見も明らかにした。朝鮮半島で緊張が高まっていることへの中国側の立場を問う韓国放送局記者の質問に、「世界は十分に混乱しており、朝鮮半島で二度と戦争が起きてはならない」としたうえで、「朝鮮半島問題で冷戦時代の対立に逆戻りしようとする者は歴史的責任を負わなければならず、地域の平和と安定を破壊しようとする者は莫大な代償を払わなければならない」と答えた。さらに「朝鮮半島問題に対する中国の立場は一貫している」とし、「根本的な解決策は対話と交渉を再開し、すべての当事国、特に北朝鮮の合理的な安全保障に対する懸念を解決し、朝鮮半島問題の政治的解決を進めること」だと述べた。昨年、秦外相の記者会見の時は、朝鮮半島関連の質疑応答はなかった。

 中国は欧州に対してはパートナーとして、協力と共生の発展を成し遂げなければならないと述べた。王外相は「数年前、欧州連合(EU)の政策文書は中国について、パートナーだが、競争者であり制度的ライバルだと記した。これは事実とかけ離れており、実現可能でもない」とし、「私たちは欧州と根本的な利害の衝突や地政学的衝突がなく、両側の共通利益の方が意見の相違より大きい」と主張した。

北京/チェ・ヒョンジュン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1131319.html韓国語原文入力:2024-03-07 15:57
訳H.J

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