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ロシア、凍結された北朝鮮の口座から900万ドルの引き出しを許可

登録:2024-02-08 06:36 修正:2024-02-08 07:45
国際金融に接続する迂回路開かれるか
北朝鮮の金正恩国務委員長とロシアのウラジーミル・プーチン大統領が2023年9月13日、ロシアのボストチヌイ宇宙基地で会って握手している=クレムリン記者団/AP・聯合ニュース

 ロシアが凍結された北朝鮮の口座から900万ドル(13億3千万円)の引き出しを認めたことが分かった。最近、朝ロ間の軍事協力が金融協力にまでつながり、ロシアの金融機関が北朝鮮の国連制裁の迂回路となる可能性があるとみられている。

 ロシアは最近、ロシアの金融機関に預けられたが国連制裁で凍結されていた北朝鮮の資産3千万ドル(44億4千万円)のうち900万ドルに対して凍結解除措置を取った。ニューヨーク・タイムズ紙が5日、匿名の情報当局者の話として報じた。同当局者は、このように凍結解除された金が北朝鮮の原油購入に使われるだろうと語った。

 また、北朝鮮のダミー会社が先日、南オセチアにあるロシア銀行に新しい口座を開設したという。ロシア南部コーカサス地域にある南オセチアは1990年初め、旧ソ連解体を前後して独立を宣言したが、ジョージアはこれを認めず、自国領土の一部と主張している。ロシアは南オセチアの独立を認めた数少ない国で、後見国の役割を果たしている。

 朝ロ間のこのような動きは、北朝鮮がロシアを拠点に国際金融網に接続する迂回路を開く効果を生む恐れがあることから、懸念を抱かせる。北朝鮮は、相次ぐ核実験で国連の強力な金融制裁を受けており、事実上合法的に国際金融機関を利用することが難しい立場だ。北朝鮮は制裁の監視網をくぐり抜け、国際金融網に接近するために多大な努力を傾けてきた。

 今回の朝ロ金融協力を通じて、北朝鮮はロシア内部での取引における困難が緩和されるものとみられる。また、北朝鮮がロシアの国際交易網に沿って自然に国際市場に接近する道も開かれる可能性が高い。ロシアはウクライナ戦争後、米国や欧州など西側から経済制裁を受けているが、中国、インド、トルコ、南アフリカ共和国などは制裁に参加していない。ファン・ザラテ元米財務次官補は「ロシアが引き出しを認めた900万ドルは大きな金額ではないが、国際金融に接近する代案になりうるなら、北朝鮮はどんなものでも歓迎するだろう」と語った。

 専門家の間では、ロシアが慎重に動くと予想する見方もある。ロシアが国連の対北朝鮮制裁に参加した国連安保理常任理事国であるため、ある程度の責任を感じるだろうという見解だ。テンプル大学ジャパンキャンパスのジェームズ・ブラウン教授は「議論になれば、ロシアは『それは私的な銀行間の取引に過ぎない。調べてみる。これ以上問題にならないようにする』と言い訳をしてごまかそうとするかもしれない」と述べた。

パク・ピョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/asiapacific/1127594.html韓国語原文入力:2024-02-07 19:44
訳H.J

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