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「全財産560ドル」グアテマラ住民の人生の満足度は10点満点…北欧より高い

登録:2024-02-07 07:00 修正:2024-02-10 07:20
世界19カ所の低所得共同体の幸福指数、裕福な国に近い
物質文明の恩恵は少なくても幸福感では裕福な国に劣らないことが明らかになったグアテマラ西部の高地地域の住民たち=チェポル/AP・聯合ニュース

 物質文明の恩恵からはかけ離れた低所得の小規模共同体の住民が、裕福な国の人たちに劣らないほど人生で幸福を感じて暮らしているという研究結果が報告された。「幸福を金で買うことができる」という通念が、世界のどこでも同じようには適用されないことを示す研究だ。

 スペインのバルセロナ自治大学環境科学技術研究所とカナダのマギル大学の研究チームは5日(現地時間)、米国国立科学院会報(PNAS)に掲載した論文で、全世界19カ所の小規模共同体の住民が感じる「人生の満足指数」が10点満点で6.8点と非常に高かったことを明らかにした。これは、世界の富裕国の集まりである経済協力開発機構(OECD)が2020年に発表した加盟国の平均値(6.7点)よりやや高いものだ。当時の韓国人の満足指数は5.8点だった。

 今回の調査は、中南米、アフリカ、アジア太平洋の19地域で小さな共同体を形成して暮らしている住民2966人を対象に行われた。研究チームは「多くの地域は、1人あたりの年間所得は1000ドル(約1万5000円)にも満たないと推定され、調査期間に現金収入があった人は全体の64%にすぎなかった」と説明した。

 論文の第1著者であるマギル大学のエリック・ガルブレイス博士は「19の共同体のうち4カ所は満足指数が8点を超えることが分かった」と述べた。これは、OECDの調査で1位となったフィンランド(7.9点)より高い値だ。これら4つの共同体は、グアテマラ西部の高地地域の住民(8.6点)、ブラジルのアマゾンの住民(8.4点)、パラグアイのアマンバイ地域の住民(8.2点)、アルゼンチンの山岳地帯の住民(8.0点)だった。

 グアテマラの高地地域の住民の場合、全インタビュー対象の70人のうち30人が人生の満足指数が10点満点だと答えたと、研究チームは明らかにした。この地域の住民の1人あたりの平均財産は560ドル(約8万3000円)に過ぎなかった。ブラジルのアマゾンの住民についても、全体の163人のうち約半数にあたる80人が自分の人生に全面的に満足していると答えた。

 研究チームは「ただし、人生の満足度が19地域で等しく高いわけではなかった」として、ジンバブエ(5.1点)、セネガル(5.2点)、中国内モンゴル自治区オルドス砂漠(5.3点)などの地域の住民が感じる幸福感は他の地域より低かったことを明らかにした。研究チームは「小規模共同体でも、物質的な豊かさは人生に対する肯定的な態度と関係なくはないが、個人の財産規模は満足度においてきわめて小さな部分を占めるにすぎない」と指摘した。

 研究チームは、小規模共同体の住民の幸福感が高い理由は分からなかったが、過去の研究によると、社会的支援、信頼、自由、家族関係、社会参加、人と自然との関係などが幸福にとって重要な要素だったと説明した。

 研究チームは「今回の研究は、高いレベルの主観的な福祉を得るにあたり、資源集約的な経済成長が必ずしも必要なものではないことを示した」とし、「これは、持続可能性と人間の幸福のためには朗報」だと評した。

シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1127432.html韓国語原文入力:2024-02-06 13:31
訳M.S

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