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米政府側「北朝鮮、数カ月以内に韓国に致命的な攻撃の可能性」

登録:2024-01-27 09:14 修正:2024-01-27 10:18
民間専門家が相次いで衝突を警告 
「2010年の延坪島の砲撃を上回る可能性も」
北朝鮮が24日に新型の戦略巡航ミサイル「プルファサル3-31」型の初の発射実験を行ったと、朝鮮中央通信が25日報道した/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 米国の民間専門家らが北朝鮮による戦争開始の可能性を警告しているなか、米国政府側からも、北朝鮮が数カ月以内に攻撃に出る可能性があるという予測が出てきた。

 ニューヨーク・タイムズは25日、匿名を求めた米国政府関係者らが、北朝鮮が数カ月以内に韓国に致命的な攻撃を加える可能性があるという見方を示したと報じた。この関係者らは、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の最近の発言と北朝鮮の相次ぐミサイル発射実験は、韓国に圧力を加えてきた従来のパターンを超える水準だと指摘した。ただし、全面戦争が差し迫っているというシグナルはないと付け加えた。

 関係者らはさらに、2010年の延坪島(ヨンピョンド)砲撃の際、韓国が反撃したにもかかわらず状況が早期に終了した事例を挙げ、金委員長は、攻撃に出ても一定水準の緊張高揚行為は統制できると考えているようだと述べた。ある関係者は、北朝鮮が砲弾とミサイルをロシアに供給していることは、長期戦の計画がないことを示唆していると説明した。

 こうしたなか、ホワイトハウスのジョン・ファイナー大統領副補佐官(国家安全保障担当)はこの日、米国の民間非営利団体であるアジア・ソサエティのフォーラムで「北朝鮮は非常に否定的な道を選択した」と述べた。国務省の東アジア太平洋次官補を務めたことのあるアジア・ソサエティのダニエル・ラッセル副会長は、金委員長が2010年の延坪島砲撃をはるかに超える水準の攻撃を意図しているとみられるとして、「衝撃的な軍事行動の可能性に備えなければならない」と述べた。

 米国政府内外で軍事行動の兆候とみられた金委員長の発言は、15日の最高人民会議の施政演説で「朝鮮半島で戦争が起きた場合、大韓民国を完全に占領、平定、修復し、共和国の領域に編入させる問題を(憲法に)反映することも重要だ」と述べたことなどだ。

 金委員長はこの演説で「大韓民国を徹頭徹尾、第一の敵対国、不変の主敵」と憲法に明記しなければならないと述べた。また、先月には南北関係は「二つの交戦国の関係」と規定した。ミサイル発射実験を続ける北朝鮮は、24日に「新型戦略巡航ミサイル『プルファサル3-31』型」を試験発射したことを発表した。

 今月11日には、米国の北朝鮮専門家であるミドルベリー国際問題研究所のロバート・カーリン研究員とジークフリード・ヘッカー博士が、北朝鮮専門メディア「38ノース」への共同寄稿で「朝鮮半島の状況は、1950年6月初頭以後のどの時よりも危険だ」と警告した。両者は「金正恩は彼の祖父が1950年にそうしたように、戦争を行う戦略的決定を下したとみている」と書いた。

 同日、ロバート・ガルーチ元米国務省北朝鮮核問題担当特使は「ナショナル・インタレスト」への寄稿で「今年、東北アジアで核戦争が起きる可能性を考えなければならない」と書いた。ガルーチ氏は、北朝鮮が米国との関係正常化をこれ以上追及しない状況のもとで、台湾をめぐる危機が発生すれば、中国を助けるために核の脅しを加える可能性があり、台湾問題と関係なく韓国に対する核攻撃を考慮することもありうるとした。

ワシントン/イ・ボニョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/1126038.html韓国語原文入力:2024-01-26 19:41
訳M.S

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