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能登半島の避難所はいっぱい…農業用ハウスに避難中の人々、圧雪で壊れるか心配

登録:2024-01-08 00:30 修正:2024-01-08 07:26
水・食料不足、感染症患者も発生  
死者126人、負傷者560人
石川県能登半島でマグニチュード7.6の大地震が発生してから1週間が経った7日、珠洲市で消防士らが雨の中で救助活動を進めている/AP・聯合ニュース

 「どこか病院などに入れるところがあればと思います。(母が)心臓も悪くて病気なので、もう無理なのかなと思います」

 元旦の1日、石川県能登半島で発生したマグニチュード7.6の地震後、避難所になった「農業用ハウス」で生活している73歳の娘は、寝たきり状態の95歳の母親を心配そうな目で眺めた。この女性は7日、NHKに、避難所に指定されている小学校に多くの人が避難して入りきれず、やむを得ず近くの農業用ハウスで過ごしていると語った。農業用ハウスで寝泊まりしている人は11人で、苗をいれるかごやベニヤ板などを重ねて置き、毛布を持ち込んで暖を取っている。持病のある90代の母親にとっては過酷な環境だ。同じ農業用ハウスに避難した60代の住民は「電気は昨日からようやく通ったが、夜は寒くて、服を何枚も重ねて毛布をかぶっている。雪が40センチくらいしっかり降ると圧雪で壊れると聞いていて、冷えが一番心配だ」と語った。

 能登半島地震が起きてからこの日で7日目に入った中、避難所に集まった3万人余りの避難民の苦痛が大きくなっている。現在、石川県だけで輪島市で1万2506人、珠洲市で7122人など、14の市町村の約370カ所の避難所で、3万733人が生活している。

石川県能登半島でマグニチュード7.6の強震が発生してから1週間が経った7日、輪島市のある避難所に人々が集まっている/AP・聯合ニュース

 気温が下がっているうえ、水と食糧が不足し、大勢人が集まっているのに風呂にも入れないため、感染症が広がっている。6日、輪島市のある避難所で70代の女性が高熱と嘔吐で緊急に病院に運ばれた。ここでは5日夕方から下痢や発熱などの症状を訴える人が相次いでいる。インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の患者も出た。約160人がいる避難所で3人のインフルエンザ患者が発生して隔離された。国際医療福祉大学の松本哲哉教授は読売新聞に「避難所は被災者同士の距離が近くなり、インフルエンザや新型コロナなどの呼吸器疾患が広がり、トイレを起点にノロウイルスなど感染性胃腸炎が問題になりやすい」と懸念を示した。2016年の熊本地震でも感染症が大きな問題となった。

 絶望的な状況の中でも、劇的な救助の知らせが続いている。地震発生から6日目の6日午後8時20分頃、珠洲市のある倒壊した住宅で90代の女性が劇的に助け出された。地震発生後、救助の「ゴールデンタイム」と呼ばれる72時間を超えた約124時間ぶりの救出だった。この女性は足を怪我したが、会話もできるくらい元気だという。今月4日午後にも倒壊した家で80代の女性が救助された。

石川県能登半島でマグニチュード7.6の強震が発生してから1週間目を迎える中、指定された避難所が不足し、「農業用ハウス」で生活する人もいることが分かった=NHK画面よりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 今回の地震による死亡者は120人を超えた。NHKは同日午前9時現在、輪島市(69人)、珠洲市(38人)など石川県だけで死者126人、負傷者560人が発生したと報じた。地震による死亡者が100人を超えたのは、感染症など避難生活による「関連死」を含め276人が死亡した2016年の熊本地震以来8年ぶり。また、安否不明者が222人に達し、輪島市だけで人が建物の下敷きになっているという通報が100件近く寄せられた。さらなる死亡者の発生が予想される状況だ。断水(約6万6千世帯)と停電(約2万3千世帯)も続いている。

 馳浩石川県知事は「非常事態」を宣言した。馳知事は6日、「未曽有の大災害だ。能登を救うために職員全員で対応する」とし、「全職員一丸となって災害に対応する体制をとるよう」指示した。消防当局、警察、自衛隊が総力を尽くして救助活動を行っているが、7~8日に雨と雪の予報があり、救助に困難が予想される。

東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1123308.html韓国語原文入力:2024-01-07 21:13
訳H.J

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