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イラン、ソレイマニ司令官の追悼式で爆発、103人死亡…誰の仕業か

登録:2024-01-04 08:51 修正:2024-01-04 09:06
相次ぐイスラエルの周辺国への攻撃 
ガザ戦争、重大な「戦争拡大の岐路」
3日、イラン革命防衛隊のガセム・ソレイマニ司令官の死去4年目の追悼式が行われていたイラン中部ケルマン市の「殉教者墓地」で爆発事故が発生し、100人以上が死亡、171人が負傷した。医療スタッフが駆けつけて負傷者を救急車に運んでいる=ケルマン/AFP・聯合ニュース

 イラン人に広く尊敬されていたイラン革命防衛隊(IRGC)コッズ部隊の司令官、ガセム・ソレイマニ氏(1957~2020)の4年目の命日の追悼式で謎の爆発事故が発生し、少なくとも103人が死亡、171人がけがをした。前日にはパレスチナの武装組織ハマスの政治局副局長サレフ・アル・アルリ氏(57)がレバノンでイスラエルのドローン攻撃を受けて死亡している。ハマスを支援してきたレバノンの武装組織ヒズボラ、そして米国とイスラエルに対抗する「抵抗の軸」の中心であるイランを刺激する攻撃が相次ぎ、ガザ戦争が中東全体に拡大する恐れがあるという懸念が高まっている。

 AP通信は3日、イラン国営放送の内容を引用し、同日、中部ケルマン市の「殉教者墓地」内のソレイマニ司令官の墓で追悼式が進められている最中に爆発が起きたと伝えた。イラン国営放送によると、墓地周辺で最初の爆発音が聞こえ、約10分後に2回目の爆発が起きた。イラン人の絶対的な尊敬を受けていたソレイマニ司令官の追悼式だったため、多くの追悼客が集まっており、人命被害が大きくなった。イラン当局者は、この爆発は「テロ攻撃」だと述べたが、誰による犯行なのかは言及していない。もしこの爆発がイスラエルの仕業であることが明らかになれば、イランがいかなる形であれ直接報復に乗り出す可能性が高い。

 4年前の2020年1月、ドナルド・トランプ前大統領はイラクのバグダッドを訪問中のソレイマニ司令官を無人攻撃機「MQ9リーパー」を投入して殺害した。この死はイラン人の胸に米国とイスラエルに対する深い憎悪を残した。そのためか、先月27日、イラン革命防衛隊のラメザン・シャリフ報道官(准将)は、イスラエルに対するハマスの昨年10月7日の奇襲攻撃はソレイマニ暗殺に対する報復であるとの見解を明らかにしている。

 ガザ戦争が長期化するにつれ、ハマスとイランの高官に対するイスラエルの暗殺の試みが頻繁になっている。2日には、ハマスの政治局副局長のサレフ・アル・アルリ氏がレバノンの首都ベイルート郊外のダヒヤ地区でイスラエルの攻撃を受けて死亡した。アルリ氏は1987年のハマス創設時から同組織で活動し、1992年に作られたハマスの軍事組織「アルカッサム旅団」を作った主要人物の一人に数えられる。英BBCは、アルリ氏はハマスの政治部門の最高指導者であるイスマイル・ハニヤ氏の側近であり、レバノンでハマスとヒズボラをつなぐ役割を担ってきたと伝えた。

 ハマスの高位指導者イザト・リシク氏は声明を出し、この攻撃をイスラエルの「卑怯な『暗殺』」だと規定し、報復の意志を明らかにした。また、イスラエルと水面下で進めてきた人質解放交渉を中止すると発表した。イスラエルの日刊紙ハーレツは、アルリ氏はカタールの仲裁する人質および休戦交渉でも重要な役割を果たしてきたと報じた。イスラエルは、先月25日にはシリアのダマスクス郊外を空襲し、イラン革命防衛隊の高官であるラジ・ムサビ氏を殺害している。ムサビ氏はイランの域内同盟ネットワークの重要な軸であるシリアとの軍事同盟を調整する責任者だった。

 米CNNなどは、イスラエルの相次ぐ空襲でガザ戦争が親イラン系の周辺国に広がったと評した。特に、自分のテリトリーでイスラエルに「不意の一撃」を受けたヒズボラと、ソレイマニ司令官の追悼式で深刻なテロに遭ったイランがどのように対応するかによって、ガザ戦争の行方が変わる見通しだ。ヒズボラの最高指導者ハッサン・ナスララ氏は「レバノンの地における抵抗勢力に対するいかなる標的暗殺も許されない」とし「(イスラエルは)それに相応する代価を支払うことになるだろう」と報復を誓った。イラン外務省のナセル・カーンアニ報道官も2日に声明を出し、「アルリ氏を暗殺したシオニズム政権(イスラエル)に対する抵抗に改めて火がつくだろう」と述べた。

キム・ミヒャン、キル・ユンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/arabafrica/1122892.html韓国語原文入力:2024-01-04 02:31
訳C.M

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