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ウクライナ・スウェーデンが加盟?NATO首脳会議、3つの観察ポイント

登録:2023-07-11 06:51 修正:2023-07-11 08:26
ベルギー・ブリュッセルにある北大西洋条約機構(NATO)本部=ブリュッセル/ノ・ジウォン特派員

 北大西洋条約機構(NATO)の31カ国の首脳が11日(現地時間)、ロシアと国境を接するバルト海の国家リトアニアの首都ビリニュスに集まる。ロシアの侵攻で始まったウクライナ戦争が500日を超えた状況のもと、NATOはウクライナに対する安全保障策と今後の加盟問題、同盟強化策、スウェーデンのNATO加盟などを議論する。

 2日にわたり開かれる今回のNATO首脳会議の第1の議題は、ウクライナに対する安全の保障の支援策と、今後のNATO加盟に対する約束についてだ。イェンス・ストルテンベルグ事務総長は、首脳会議を前にした7日の記者会見で、「加盟国の指導者は、ウクライナをNATOにさらに近づけるための3つの要素が含まれたパッケージに合意するだろう」と明らかにした。あわせて、ウクライナ軍との間の相互運用性の保障のための「長期間の支援プログラム」の合意(NATO式軍現代化)▽危機状況への共同対応、意志決定のための「NATO・ウクライナ委員会」の設立▽ウクライナの将来のNATO加盟支持の意志の再確認などを挙げた。

 重要なポイントは、ウクライナが安全保障策として要求してきた「終戦後のNATO加盟の約束」に対して、加盟国がどれだけ「具体的に」合意をするかだ。2008年のルーマニア・ブカレストでの首脳会議で、NATOはウクライナのNATO加盟に「同意」した。ウクライナは、それだけでは足りないという立場だ。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、今回のビリニュス会議で、NATOがウクライナの加盟国招致に対する「明確な」立場を明らかにしなければならないと強調している。戦争終結後、NATO加盟のための具体的な「ロードマップ」を描くことを要求するものだ。

 ポーランドを中心とする東欧やロシアとの国境に接するバルト3国などは、ウクライナの加盟に非常に積極的な立場だ。だが、米国やドイツなどは「戦争終結前の加盟は難しい」「ウクライナが先に加盟要件を満たさなければならない」とするなど、慎重な態度を示している。何より、現在進行中のウクライナの「反転攻勢」で目に見える成果がない状況において、早まってNATO加盟を承認してロシアを刺激する必要はないという立場だ。米国のジョー・バイデン大統領は9日、CNNのインタビューで、ウクライナのNATO加盟は「時期尚早」だと述べた。代わりに米国は、イスラエルと10年の協定を締結して軍事支援を行うのと同じように、ウクライナとも2国間協定を通じて安全保障を提供する案を有力策として検討している。

 今回の会議でNATOは、冷戦終結後、初めて新たな「地域防衛計画」を策定する。北極・大西洋など欧州北部▽バルト海など中部▽地中海・黒海など南部の3地域に対する総合的な防衛計画を設けるということだ。目標は、ロシアとテロの脅威に備えたNATOの準備態勢の強化だ。有事の際、NATOの兵力30万人を欧州東部戦線の一帯に30日以内に配置し、陸海空全般にわたって戦力を増強し、域内の防衛産業の力を高めるためのアクションプラン(DPAP)などを通じた相互運用能力の強化などの内容が含まれている。これらすべてのために、加盟国は毎年、国内総生産(GDP)の「最低2%」を国防費に使用するようにする防衛費支出拡大案も論議される。

 最後の観察ポイントは、スウェーデンのNATO加盟にトルコがどのような立場を示すかについてだ。首脳会議前日の10日午後、トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領とスウェーデンのウルフ・クリスターソン首相は、NATO事務総長が招集した3者会合で対面する。その席上でトルコがスウェーデンの加盟を支持すれば、加盟に勢いがつくものとみられる。スウェーデンはフィンランドとともに昨年5月にNATO加盟を申請したが、トルコがテロ組織とみなすクルド労働者党(PKK)に対するスウェーデンの対応を問題視し、今でも反対を続けている。そのため、4月にフィンランドだけが単独でNATOに合流した。

ベルリン/ノ・ジウォン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/1099458.html韓国語原文入力:2023-07-10 15:47
訳M.S

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