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ウクライナ、国際仲裁を拒否…ゼレンスキー大統領「大反撃の時期決めた」

登録:2023-05-31 06:45 修正:2023-05-31 07:47
ゼレンスキー大統領「この日の最高司令官会議で時期決定」 
大統領府副長官「仲裁、遅すぎた」
ロシア軍が異例にも昼に空襲を行った29日(現地時間)、ウクライナの首都キーウの住民たちが地下鉄の駅に避難し、エスカレーターに座っている=キーウ/AP・聯合ニュース

 ロシア軍がウクライナ軍の春の大反撃を阻止するため、軍事施設への空襲に集中する中、ウクライナの大統領の側近は「国際社会の仲裁は遅すぎた」とし、ロシア軍の完全撤退を実現させるため戦争を続ける意志を示した。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領も、これまでいろいろな推測が続いてきた春の大反撃と関連し「時期を決めた」と述べ、緊張を高めた。

 ウクライナ大統領府のイホル・ジョウクワ副長官は、29日に公開されたロイター通信とインタビューで、ロシアがウクライナ領土を占領した状況で戦争を終わらせることには関心がないと述べた。ゼレンスキー大統領の外交分野補佐陣の中心人物であるジョウクワ副長官は「ウクライナ戦争を語る時、ブラジルの平和案、中国の平和案、南アフリカ共和国の平和案は(実現)不可能だ」としたうえで、「今のように転機を迎えた我々にとって仲裁者は必要ない。仲裁が遅すぎた」と述べた。

 中国はロシアのウクライナ侵攻1年を迎え、2月23日に12の案で構成された平和仲裁案を発表したのに続き、4月26日には習近平国家主席が直接ゼレンスキー大統領と電話会談を行った。この電話会談後の16日、中国は李輝ユーラシア事務特別代表をウクライナ問題担当の特使としてウクライナに派遣した。

 西欧と米国・中国間でバランス外交を展開する代表的な「グローバルサウス」の一員、ブラジルのルーラ・ダジルバ大統領も、4月22日にポルトガルを訪問した際、ロシアとウクライナの双方を交渉テーブルに導く案をまとめたいと述べており、16日には南アフリカなど6カ国が仲裁のため両国に平和使節団を送ることにしたと発表した。ジョウクワ副長官はこのような仲裁に向けた取り組みに対し、「遅すぎた」として拒否の意思を明らかにしたわけだ。

 ジョウクワ副長官は仲裁案の代わりに、ロシアの完全な撤退と敵対行為の中止など10項目で構成されたウクライナの平和案を目指すと述べた。ゼレンスキー大統領は昨年11月、主要20カ国・地域首脳会合(G20サミット)の際、この「10項目の平和公式」を公開した。ジョウクワ副長官は、19~21日に広島で開かれたG7サミットで、この平和案に対して非常に肯定的な反応を得たとし、「G7は(10項目のうち)いかなる懸念も示さなかった」と述べた。

 このような中、ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア軍に対する大反撃の時期を確定したと述べた。ゼレンスキー大統領は同日、テレグラムを通じて公開した動画で「最高司令部会議で弾薬の補給、新しい旅団の訓練、ウクライナ軍の戦術などについてだけでなく(大反撃の)時期に関する報告も行われた」とし、「決定は下された」と述べた。ウクライナ国家安保防衛委員会のオレクシー・ダニロウ書記は、27日のBBCとのインタビューで、反撃準備を全て整えたとし、「明日や明後日、または1週間後に(反撃が)始まる可能性がある」と述べた。

 一方、ロシア軍は同日、ウクライナ西部フメリニツキーの軍飛行場など軍事施設と、黒海沿岸最大の港オデッサなど、ウクライナ全域に対する空襲を続けた。ロシア軍はこれまで主に夜間に空襲を続けたが、この日は異例にも午前11時頃、首都キーウへの空襲を断行した。

 翌日の30日には逆にロシアのモスクワが無人機空襲を受けた。ロシア国防省は同日の空襲がウクライナ軍による「テロリスト攻撃」であり、無人機を撃墜し、重傷を負った人はいないが、一部住民を避難させたと明らかにした。ウクライナ大統領府のミハイロ・ポドリャク顧問は「我々は全く関係がない」と否定した。これに先立ち、5月3日にもモスクワのクレムリン上空で無人機2機が撃墜された事件が起きたが、ウクライナは当時も関与を否定した。

シン・ギソプ先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1093807.html韓国語原文入力:2023-05-31 02:39
訳H.J

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