27日午後1時55分。
物議を醸した安倍元首相の国葬が行われる東京都千代田区の日本武道館に遺骨が到着した。自衛隊の弔砲が19発発射された。安倍元首相の夫人である昭恵氏が遺骨を抱えゆっくり歩いて会場の中に入った。岸田文雄首相が受け取った遺骨は、遺影が掲げられた式壇の中央に置かれた。
午後2時13分、松野博一官房長官が葬儀の開式を知らせた。戦後日本の礎石を築いたと評価される吉田茂元首相（1878~1967）以来55年ぶりに開かれる国葬だった。7月8日の突然の死後、81日後に開かれた行事でもあった。1分間の黙祷が終わり、憲政史上最長の首相（在任期間7年8カ月）であり、保守・右翼勢力の求心点の役割を果たした安倍元首相の生前の姿を描いた映像が約8分間上映された。
続いて岸田首相の追悼の辞が始まった。岸田首相は安倍元首相について「日本と世界の行く末を示す羅針盤として、この先も10年、いや20年力を尽くしてくださるものと確信していた。痛恨の極みだ」とし、「あなたが敷いた土台のうえに、持続的ですべての人が輝く包摂的な日本を、地域を、世界をつくっていくことを誓う」と述べた。安倍首相とともに「二人三脚」で長期政権を維持した菅義偉前首相も追悼の辞を朗読した。
午後3時16分、献花が始まった。席に座った昭恵氏は、亡くなった夫の遺影を見つめ、涙を拭った。
この日、国葬には国内外の主要人物が4300人余り参列した。外交使節としては韓国のハン・ドクス首相、米国のカマラ・ハリス副大統領、インドのナレンドラ・モディ首相、オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相、中国の万鋼・全国人民政治協商会議副主席など700人余りが参列した。しかし、主要7カ国（G7）の首脳らは参列せず、岸田首相が国葬の名分として掲げた「弔問外交」は大きく色あせた。
日本武道館から歩いて5分の距離にある九段坂公園には、一般人のための献花台が設けられた。午前10時から始まった弔問は絶えず続いた。地下鉄で1駅離れた半蔵門駅から数百メートルの列が続いた。現場で会った50代女性のタカハマさんは「国葬に100％賛成するわけではない。ただ、安倍元首相が日本のために献身したことは否定できない。最後に感謝の気持ちを伝えたかった」と話した。
都心のあちこちで国葬に反対する大規模な集会が開かれた。国葬が始まった午後2時、千代田区の国会議事堂正門前の歩道に集会の参加者たちが集まった。70代男性のミヤガワさんは「国民の60％以上が国葬に反対しているにもかかわらず、岸田首相は最小限の国会手続きも無視して押し通した。我慢できない」と話した。60代女性のクサカベさんも「森友学園問題など安倍元首相の不正疑惑の真実は明らかになっていない。このような状況で国葬が可能なのか」と語った。また「国葬に使う税金（日本政府発表16億6千万円）で生活が苦しい人を支援した方がはるかに良いのではないか」と強調した。
午後12時、東京の日比谷公園でも市民団体などが主導した国葬集会が開かれた。彼らは集会後「国葬反対」と書かれた横断幕を持って行進した。国葬は終わったが、日本は依然として二つに分かれたままだった。日本社会が安倍元首相の遺産を克服するには、さらに多くの時間がかかりそうな予感がした。
訳C.M
