「ベルリンのミッテ区役所や区議会議員ら、市民団体にまで、偽メールと思われる数百通の抗議メールが送られています」
ドイツのベルリン市ミッテ区にある平和の少女像の設置を主導したコリア協議会のハン・ジョンファ代表は12日、少女像の運命が一寸先も見えない状況だと語った。「危機の原因」は日本の極右勢力と推定される人たちがミッテ区関係者を標的にして送ってくる「大量のメール」だ。
ハン代表は「これらのメールは送信者名がドイツ人や韓国人であるかのように偽装し、少女像の本質を歪曲する内容を含んでいる」と話した。「慰安婦は自発的に売春をした女性だ」、「韓国人もベトナム戦争時に現地女性を強姦した歴史を解決していない」、「歴史をよく知らないなら、手を引け」という内容だ。そのため、ベルリンのミッテ区議員らは「これまでこの問題に力を注いできたが、今は手に余る。ホームレスやマンション不足など、解決しなければならない問題が山積している」と述べ、困惑した反応を見せているという。
このような困難を克服するために、ハン代表はベルリン内の少数民族や女性団体と連帯や支持の集会を開くなど、多くの人々と接触している。三一節を迎えた今月1日、コリア協議会傘下の日本軍慰安婦行動(AG Trostfrauen)が少女像の前で開催した「フェミニスト反植民地抵抗集会」にも、気温5度弱の寒さの中でも約70人が集まった。ミートゥー・アジアンズ(Metoo-Asians)など韓国人女性団体はもちろん、アフリカや中東、ラテンアメリカ、アジアなど少数民族女性団体のメンバーらも参加して声を上げた。ハン代表は同日の集会で「少女像は性的暴力と植民主義権力に反対する象徴」だとし、「日本政府は歴史を隠そうとしている。駐独日本大使館がこの歴史的事実を隠蔽し、韓国を誹謗するのを見ると、悲しくて言葉を失ってしまう」と述べた。また「ウクライナで起きているような戦争を繰り返さないために、少女像は『平和の少女像』と名付けられた。しかし、その声に耳を傾けず、少女像を撤去しようとして人たちがいる」と訴えた。
ドイツで少女像をめぐる動きは「戦時性的暴力」を超えて「植民地の歴史の清算」問題に拡大している。昨年開館したフンボルトホルム博物館で展示されるアフリカ文化遺産の出処が物議を醸したこともあった。それをきっかけに、ドイツでも過去の植民地の歴史について学校で教育しなければならないという規定ができた。ハン代表は「少女像問題について本当に理解し、その苦しみを分かち合う人々はアフリカのコミュニティ」だとし、「植民支配と人種差別を経験したから、同じ苦しみを理解しているようだ。彼らにはいちいち説明する必要もなく、すぐわかってもらえるから、いつも感動してしまう」と語った。