最悪の流動性危機でぐらついている中国2位の不動産開発大手の恒大集団(エバーグランデ・グループ)が、ドル建て債券の利子を払えないことが伝えられた。350兆ウォン(約33兆円)台の負債を抱える恒大の破産憂慮がますます拡がっている。
24日のロイター通信などの報道を総合すると、恒大は額面20億3千万ドル規模のドル債券に対する利子8350万ドルを前日までに支払わなければならなかった。だが恒大のドル建て債券を保有する外国人投資家らはこの日午前まで利子を受け取れなかった。
複数の消息筋は「利払いがされず、恒大側は利子の支払いに関連した質問に返事もない状態」と伝えた。ただし、債券契約により利子の支給予定日から30日間の猶予期間が設定されているため、直ちに債務不履行(デフォルト)宣言がなされはしない状態だ。
恒大側もこの日支給しなければならない中国元建て債券の利子2億3200万中国元(約39億6千万円)問題を「解決」したと前日明らかにした。だが、恒大が利子をまともに支払ったのではなく、債権者との交渉を通じて一部だけ支払ったり期間を延長したという観測が優勢だ。これに先立って恒大は今月13日に、現金分割返済▽実物資産返済▽住宅購入残金相殺返済などを債券返済方案として提示している。
中国当局は、恒大に対する直接支援の代わりに、金融市場の安定化に集中している。ブルームバーグ通信は「恒大事態で不安感が増幅された金融市場の安定化のために、人民銀行はこの日だけで700億中国元(約1兆2千億円)の短期流動性を供給した」として「ここ5日間で人民銀行が金融市場に投じた資金は合計4600億中国元(約7兆8千億円)に達する」と伝えた。
これと関連して同通信は、内部の消息筋の話を引用して「中国金融当局が最近、恒大側に対し、現在進行中の不動産開発事業を早く終え、個人投資家の債権を積極的に返済する一方、短期的にドル債券の債務不履行(デフォルト)を避けるためのすべての措置を取るよう促した」と報道した。だが、債務履行のために金融当局が恒大側に財政的支援をするとみられる情況はなかったと伝えた。
ウォールストリートジャーナルも前日「中国当局が地方政府と国有企業側に、恒大が秩序ある方式で問題を管理できなくとも、介入は最後の瞬間にするよう指示した」と伝えた。当局次元の直接支援ではなく、恒大破産の“後の混乱”に備えるもようだ。
同紙は「国務院金融安定発展委員会(委員長:劉鶴副首相)が今月初めに地方政府側に実務陣を設け、恒大事態と関連した社会・経済的不安の点検を指示した」として「特に地方政府別に会計・法律の専門家を中心に実務陣を構成し、当該地域で恒大が進行中の事業の金融状況を点検し、地域の国営企業と民間企業側も恒大の事業引き受けの可能性に備えるよう指示した」と付け加えた。
恒大は、現在中国の200都市余りで約800件の不動産開発事業を進行中だが、納品業者に対する代金未支給などにより一部の工事はすでに中断されたと伝えられた。