本文に移動

菅内閣の支持率、26%でまたも過去最低に…総裁選への影響は

登録:2021-08-30 06:11 修正:2021-08-30 10:33
来月29日、自民党総裁選 
「菅離れ」の世論明らかに 
党派閥では続投に向けた動き活発に
自民党の党本部=自民党ホームページよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 続投を狙う菅義偉内閣の支持率が再び最低水準に落ちた。来月29日に自民党総裁選が予定されている中、党内でも「危険水域」という懸念の声が高まっている。

 毎日新聞は28日に電話世論調査(回答者1109人)を実施した結果、菅内閣の支持率が26%を記録したと、29日付で報じた。1カ月前の調査(30%)より4ポイント下落し、昨年9月の発足以来最も低い。この数値は、第2次安倍政権時代、森友・加計学園スキャンダルで支持率が最も低かった2017年7月の調査の時と同じだ。

 菅内閣の支持率が下落し続ける主な原因は、新型コロナウイルスへの無能な対処のためだ。回答者の70%は菅政権の新型コロナ対策を「評価しない」と答えた。実際、菅首相は新型コロナ新規感染者が連日2万人を超え、緊急事態宣言地域が拡大しているにもかかわらず、「明かりははっきり見え始めた」(今月25日)と述べるなど、現実とかけ離れた楽観論を展開し、世論の反発を買った。

 次期首相にふさわしい人としては、石破茂元幹事長が13%の支持を得て1位となった。そのほかは、ワクチンを担当する河野太郎行政改革相(11%)、菅首相(9.8%)、岸田文雄前政調会長(9.7%)の順だった。

 今回の調査結果は、政権与党の自民党が総裁選の日程を決めた直後に出たもので、さらに注目を集めている。党内の主要派閥で菅首相支持を本格化している中、「菅離れ」の世論が明らかになったといえるからだ。菅内閣の支持率の急落が総裁選にどのような影響を及ぼすかに注目が集まっている。同紙は「政府・与党は『危険水域に入った』という危機感を強めている」とし、「次期衆院選が迫る中、党内では『菅離れ』が進み、党総裁選の情勢が流動化する可能性もある」と報じた。

 自民党は菅首相の任期満了に伴い、総裁選を来月29日に行うことにした。菅首相の任期は、健康上の理由で昨年9月に辞任した安倍元首相の残余期間の9月30日までだ。議院内閣制の日本は通常、政権与党の総裁が首相になる。

菅義偉首相=首相官邸のホームペ―ジよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 菅首相は、何度も続投の意思を明らかにしてきた。二階俊博幹事長や森山裕国対委員長、安倍元首相、麻生太郎副首相ら自民党関係者が菅首相を支持している。国会の情勢だけを見ると、菅首相が優勢だが、問題は世論だ。今回の総裁選は所属国会議員383票、全国党員・党友383票を合算する方式で行われる。派閥単位で動く国会議員と違って、党員は世論に敏感だ。日本経済新聞は「1978年から2020年までの期間に複数候補で選挙をしたのは17回。このうち党員・地方票数が分かる14回のうち13回で党員・地方票トップの候補が総裁の座を射止めた」と報じた。同紙は「党員による投票は国民感情に近い動きをみせると言われる」と強調した。世論に密接な党員の票心が総裁選挙に決定的な影響を与えるという話だ。

 10月に予定された衆議院選挙で、党内派閥の票が一つに結集することは難しいという見方もある。読売新聞は、選挙基盤が弱く(世論に敏感な)若手議員を中心に「菅離れ」が加速していると報じた。すでに出馬を表明した岸田前政調会長側も攻勢を強めている。岸田派の中堅議員は「菅首相に不満を持つ議員や党員が雪崩を打って支持してくれれば、勝機はある」と述べている。

 現在、菅首相と岸田元政調会長以外、世論調査で1位を走る石破元幹事長も総裁選への出馬を検討しているという。また、下村博文政調会長や高市早苗元総務相、野田聖子幹事長代行らが出馬の意思を明らかにした。ただし、総裁選挙に出馬するためには所属議員20人の推薦人が必要で、最終登録候補はまだ不確実だ。

東京/キム・ソヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1009554.html韓国語原文入力:2021-08-3002:48
訳H.J

関連記事