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「行方をくらましたチョ・ソンギル北朝鮮大使代理、米国に亡命を希望」

登録:2019-01-05 00:33 修正:2019-01-05 08:13
4日、イタリアの日刊紙が報道 
「イタリア情報当局が保護中」 
朝米関係に影響するか
チョ・ソンギル駐イタリア北朝鮮大使代理//ハンギョレ新聞社

 昨年11月に行方をくらましたとされるチョ・ソンギル駐イタリア北朝鮮大使代理(44)が、イタリア情報当局の保護を受けており、韓国行きではなく米国亡命を希望しているという。

 イタリア日刊紙「ラ・レプブリカ」は4日、ある外交筋の話として「チョ大使代理が(公館を離脱した直後)イタリアの情報機関に助けと保護を要請した。現在、米国亡命を待っているところだ」と伝えた。

 同紙によると、チョ大使代理は11月中旬ごろ駐イタリア北朝鮮大使館を離脱した直後、イタリア政府に協力を要請した。その後、イタリアのジュゼッペ・コンテ首相と情報当局の関係者たちは、米国亡命を望む同氏の身柄処理をめぐり、米国と緊密に連絡を取り交わした。しかし3日、国内のある日刊紙の報道でチョ大使代理の亡命事実が伝えられ、困難な状況に置かれることになったという。

 国会情報委員会の共に民主党幹事であるキム・ミンギ議員は3日、記者団に会い「チョ大使代理は2018年11月末に任期満了になるが、任期満了に先立ち夫婦で11月初めに公館を離脱し、行方をくらましたと国情院が報告した」と明らかにした。チョ大使代理は2015年5月、3等書記官として赴任し、1等書記官に昇進したという。チョ大使代理の上には参事官が1人いるが、農業関連の参事官なのでチョ・ソンギル1等書記官が大使代理を務めたとキム議員は説明した。

 今回の事件が、2回目の朝米首脳会談を控えた朝米関係に一定の影響を及ぼす可能性があるという分析もある。北朝鮮は、国外勤務の外交官たちの亡命に神経を尖らせてきた。また、2016年8月に韓国に亡命したテ・ヨンホ当時英国駐在北朝鮮大使館公使が、朝米関係についていろいろ論評したところ、悪口を交ぜて強い不快感を表したことがある。

 一方、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と近しいとされるアントニオ・ラッチ元上院議員は、同紙とのインタビューで「口数が少なく慎重な性格のチョ大使代理は愛国心が強いと感じられたため、行方をくらましたというニュースを信じられなかった」とし、「2人の子どもを育てるためにそういう選択をしたようだ」とも推測した。

キル・ユンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/877101.html韓国語原文入力:2019-01-04 22:48
訳M.C

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