<ハンギョレ21>女性記者が就職市場に再び飛び込んだ。 目標は‘年俸2500万ウォンを受ける正規職社員’になることと決めた。 記者の身分は明らかにしなかった。‘偽装就業’だ。 去る6月、政府が支援する‘経歴断絶女性のための集団相談’で、性格類型と職業選好度、イメージ コンサルティングを受けた。 その後、履歴書と自己紹介書を作成して新入・経歴社員採用の門を5ヶ月間たたき続けた。 経歴断絶女性だけを対象にしたCJグループのリターンシップ プログラム1期にも志願した。 _編集者
#場面1 "残ったおかずや夜食をしばしば食べるでしょう？" イメージコンサルタントが私の全身を見ながら話した。 "スタイルは自分が社会生活をする準備ができていることを見せるものです。 スタイル管理が自己啓発の出発点です。" 講師は今から10kg痩せなければならないと話した。 "キャリアウーマンの服は一日で可能だが、からだはそうはいきません。" 記者として仕事をしながら増えたのは、酒と体重しかないという同僚の冗談を思い浮かべた。 講師は本気で話した。 "でっぷり太っていれば、怠けもので鈍く見えます。 何の緊張感も準備もなく‘暢気に’過ごしたという感じです。"
#場面2 "問題解決能力が劣っています。" 私のMBTI(Myers-Briggs Type Indicator 自己報告式性格類型指標)性格類型検査結果を見て、MBTI専門家がこのように分析する。 "体系的に計画して時間制限を守ることができないでしょ。迅速な判断も下せずに右往左往します。 永く社会生活をしない専業主婦に見られる典型的な特徴です。" 頭の中を色々な考えがよぎった。 ‘12年間、毎日記事の締め切り時間に合わせてきたが、いったいこれは何のたわごとなのか。’ ‘私が締め切りの時に苦しむのが、持って生まれた性格のせいなのか。’
#場面3 "興味と能力は区別しなければなりません。" ‘職業選好度’検査結果紙をぼんやりと見ていると職業相談士が近づいてきた。 私の興味の六角形は、片側にゆがんだ形だった。 進取型(E)・社会型(S)はとても大きく、現実型(R)・慣習型(C)・芸術型(A)はとても小さかった。 特定分野への関心が明確だという意味だ。 問題はそれが私の能力・経験と調和を作り出せるかだと職業相談士が説明した。 "保険設計士、不動産コンサルタント、ホテル管理者を職業として推薦します。" 記者という仕事は芸術型の代表職種として紹介された。 職業選好度検査結果で見れば、私には‘調和できない職業’だ。
私に向いている職業は保険設計士?
去る6月24～29日、ソウル地域女性新規就業センターで‘経歴断絶女性のための再就職集団相談’を受けた。 1歳の誕生日が過ぎたばかりの子供を実家の母親に預けて出てきた20代から、大きない食堂を運営していたが潰れたという50代まで、年齢帯も再就職理由も多様だった。 私は初日の自己紹介をこのようにした。 「大学で経営学を、大学院でジャーナリズムを勉強しました。結婚などで就職できなくて、ニュース翻訳・通訳のアルバイトを時々しました。 これからは経営学・新聞放送学専攻を生かして広報・マーケティング分野に再就職したいのです。" 石つぶてが飛んできた。 "今年卒業した若い人たちがいるのに、なぜ企業があなたを選ばなければならないの？ 会社の立場では、経歴があっても一年でも若い人を好みます。 経歴もないのに年齢は高くて、何を強みにするのですか?" ソフトだが断固として職業相談士が尋ねた。 「自分を説得できる論理と強みがなければ当然に会社を説得することはできません。 大企業でも中小企業でもそれは同じことです。" 去る6月‘偽装就業’を始める時、私は書類選考で数えきれない程に落とされるとは思っていなかった。 2001年にカナダの大学で新聞放送学修士を受けて帰ってきて、報道機関に志願した時には、書類選考で不合格になったことはなかった。 筆記選考では何回か苦杯をなめたが、6ヶ月で記者になった。 12年ぶりに再就職をするとして‘偽装’したが‘年俸2500万ウォンを受ける正規職社員’という目標は非実現的だとは感じなかった。
就職専門家たちは一様に首を横に振った。 "目の高さを低くしなければなりません。 経歴断絶女性の平均月給は120万ウォンです。" 特別な長所もなく断絶期間も10年を越えた自分には‘無謀な挑戦’だと遠まわしに批判した。 "したいことと、できることは区別しなければなりません。" 私が問い返した。 「海外でジャーナリズム修士を取りましたが、それは長所にならないでしょうか? インターン記者生活も現地でしました。 通訳もできます。」 鋭い忠告が返ってきた。 "卒業した大学が米国の名門大でもないでしょう。 通訳・翻訳資格証明があるわけでもないんでしょう？ SKY(ソウル大・高麗(コリョ)大・延世(ヨンセ)大)卒業者の方がはるかに有利です。" 学部は国内の‘地雑大’(地方の粗雑な大学)出身じゃないかという話は言うに忍びないという風情だった。
別の職業相談士はこのように言った。 "経歴がないから単純事務志願が適当ですが、留学経験があるのでかえって難しいのです。 そうでなくても年齢も高いので。 学歴欄から敢えて留学を除けば中小企業のインターン程度はできるかも知れません。" イメージコンサルタントは容貌をもっと飾るようにと注文を唱えた。 "再就職における最高のスペックは‘童顔’です。 一歳でも若く見えるようあらゆる努力をしなければなりません。 分け目のない短い髪にまず変えてみてください。" あながち間違った話ではなかった。 体重はものすごく増えたがダイエットはいつも三日坊主だ。 履歴書に書き込む語学試験の成績表一つなく、コンピュータ資格証も同じだ。 ‘最悪のスペックである年齢ばかり取ったんだな。’自信がガラガラと崩れた。 就職活動学生が履歴書の空欄を満たそうと必死に努める理由が分かる気がした。
ヘルス場・コンピュータ学院に登録する
不安感から私もスペックを準備した。 最初にフィットネス センターに登録した。 次いでオピック(OPIc・英語会話試験)を申し込んだ。 三番目にコンピュータ活用能力2級講座を受講した。 それと共に就職ポータルに広報・マーケティング分野の採用公告が出るたびに履歴書を出した。 面接を受けに来いという電話は結局もらえなかったが。
おりしもCJグループが経歴断絶2年以上の女性だけをインターンとして採用する‘リターンシップ プログラム1期生’を募集した。 ‘大学を今卒業したばかりの20代が志願できないとは、これなら勝算があるんじゃないだろうか。’胸がドキドキした。 7月4日、ソウル龍山(ヨンサン)CGVで開かれた採用説明会。 女性1千人余りが押しかけた。 子供を背負って来た方もいれば、キャリアルックで着飾った方もいた。 質問と答えがが果てしなく行き来した。 "経歴と年齢の内で、どちらが重要なのですか?" "経歴です。" "経歴がまったく無いとしたら？" "難しいですが事務支援分野に志願してみてください。" "パートタイムですが延長勤務はありませんか?" "ありません、延長勤務手当てというもの自体がありません。" "福利厚生は全日制と時間制で差がありますか?" "全く同じです。" "月給は?" "勤務時間に比例します。 全日制の半分だと考えれば結構です。" 職場経歴のない私に対して人事担当者はCGVサイトの運営支援を推薦した。 時間制なので年俸2500万ウォンには至らなかった。 だが‘大企業の正規職社員’であるから最終合格すれば半ばの成功だった。
7月8日午後4時50分、リターンシップ入社願書を提出した。 「しばらく夢を‘休む’気持ちで結婚しましたが、その‘休む’がいつのまにか10年近くになりました。‘CJリターンシップ’プログラムの公告を見て、胸に刻まれた夢が再びよみがえりました。 再び挫折するかと思うと恐いです。 でも、門を叩いてみます。」 翌日、CJリターンシップ関連記事が報道された。‘競争率はどれくらいになったのだろうか。’新聞のタイトルを見て気が進まなかった。 ‘17対1’ 32種の職務に150人余りの選抜に対して2,530人が志願した。 CJは当初から1千人程度が志願するだろうと予想していた。 年齢は30代(51%)と40代(36.6%)、学歴は大卒以上(86.5%)が圧倒的だった。 英語・中国語はもちろん、ベトナム語・スペイン語・インドネシア語など言語堪能者が多かった。 薬剤師・獣医師などの専門資格証保有者もいた。
書類選考発表が予定された7月12日、CJホームページを何度も参照した。 予定時刻の午後5時を過ぎたのに、まだ結果が上がっていない。 ‘合格者だけに個別的に連絡するのではないか。’不安が大きくなって行くところへ携帯メールが飛んできた。 "発表が遅れています。 携帯メールとEメールで案内します。" ‘希望拷問’が続いた。 夕食を簡単に済ませて携帯電話をいじりまわして、コンピュータの周りをぐるぐる歩き回った。 夜9時38分、二回目の携帯メールが到着した。 "採用ホームページで選考結果の確認が可能です。" 深呼吸してログインした。 ‘合格。’再就職に挑戦して書類選考を初めて通過した。
私の性格がCJには適合したのではないのか
‘筆記試験はIQテストに似た適性検査だろうか、あるいは正解の分からない性格検査だろうか。’前例のないリターンシップ採用であり基本情報さえなかった。 ‘CJ人・適性検査(CAT)問題集でも一冊買わなければならない。’ 7月15日、ソウル光化門(クァンファムン)の教保(キョボ)文庫に行ったところ既に品切れだった。 CJ人・適性検査教材を出す出版社がいろいろあるのに、一冊も残っていなかった。 三星(サムスン)・LG・ロッテなど他のグループの人・適性検査問題集はたっぷりと積まれていた。 "おばさんたちが買っていって品切れになりました。 追加注文したので明日にでも入って来ます。" 書店の職員が話した。 筆記試験受験者が1776人にもなったためだ。
7月18日、筆記試験場。 OMRカード答案用紙を受け取り性格検査質問項目を解いた。 似た質問が少しずつ変えられて繰り返された。 "今日が締め日だ。 かろうじて会計決算を終わらせたが、今になってエラーが発見された。 エラーを直せば締め日を守れない。 あなたが会計担当者なら、どのようにしますか。 A. 誤りのある会計決算を提出してでも締め日を守る。 B. 締め日を過ぎてもエラーを正した会計決算を提出する。" ‘エラーのない会計決算を締め日に出すのが正解ではないか。’禅問答のような設問がもどかしかった。
CJは私の性格は不適だと7月24日午後5時15分に公表した。 "不合格の便りを乙阿恵することになり心から残念に思います。 面接選考にお迎えすることができなくて申し訳ありません。 長い経歴断絶を踏み越えて勇気を出し志願されたあなたの挑戦に拍手を贈ります。 挑戦を続けていかれることをお祈りします。" 筆記試験受験者10人に2人だけが面接に進んだと言う。 多数が不合格ということが、まだしも慰めになった。
CJに続き、公企業と大企業も経歴断絶女性を時間選択制働き口に採用するとして乗り出した。 ‘これからさらに何ヶ月挑戦すれば再就職できるのだろうか。’気になって10月30日‘2013年公共機関採用情報博覧会’に参加した。 前日、韓国鉄道公社・韓国電力・国民年金公団など公共機関136ヶ所が時間選択制働き口に1027人を採用すると発表した。 最も多くの人員(84人)を採用すると宣言した鉄道公社の相談ブースに座った。 "どんな職務で選抜するかも、まだ決まっていません。 政府の政策により採用するという立場だけを明らかにしました。" 相談者が生意気そうに話した。
見かけ倒し‘時間選択制働き口博覧会’
11月26日ソウル三成洞(サムソンドン)のコエックスで開かれた‘時間選択制働き口採用博覧会’も見かけ倒しだった。 三星グループの人事担当者は、20社の系列会社が採用する時間選択制働き口6千人分は "高卒新入社員がしていた仕事" と言った。 "月給は100万ウォン程度" として "2年契約職" と付け加えた。 2年後には無期契約職に切り替えるが全日制に変える計画はない。 それさえも経歴のない私には志願資格が最初からなかった。 2年以上の経歴が必須であった。 SKグループは月給100万ウォンも受け取れないテレマーケット職に経歴断絶女性を採用すると話した。 それでも新韓銀行が銀行窓口で仕事をする‘テラー’(200人)を募集した。 年俸は1800万ウォンで、成果により全日制に切り替える。 ただし‘金融経歴優待’という条件がついていた。 私はまた、後順位に押し出されるだろう。
経歴断絶を体験したある先輩が話した。 "育児で休んだ女性をより良い職級に受け入れる会社はない。 水平移動も難しい。 ドアのノブに掴まってでも現在の仕事場で無条件に持ちこたえなければならない。" 去る5ヶ月間、再就職に挑戦して失敗して得た私の結論でもある。
女性記者Z
訳J.S(5875字)
