原文入力:2011/11/14 19:26(1822字)
ソ・スヨン信興大ホテル料理科兼任教授
大企業の進出でパン市場から押し出された
人々が餅屋になって共生してきたが、
そこにも大企業が飛び込んだ
同伴成長委員会は去る9月、中小企業1次適合16品目を発表した。11月には2次品目を発表した。論議の余地は多いが同伴成長委員会がこのように大企業と中小企業そして小商工人たちの共生のために努力していることを強く歓迎する。 だが憂慮されることがある。1次適合品目の中に拡張自制品目として伝統食品の餅が含まれたが、進入自制ではなく拡張自制であることが問題だ。
我が国の餅市場は全国に2万店ほどが開業と廃業を繰り返している。今は大企業系列会社の進入により一軒ずつ店を閉めているのが実情だ。個人経営の餅屋が生き残れないのには多様な要因があるだろうが、問題点を皆知ったとしてもこれといった対策があるわけでもないことが問題だ。
それではこの問題をどのように解決するべきだろうか。答はパン屋に求めれば簡単だ。西洋の代表食品であるパンは無数に発展した。だが、最近20年余りの間、路地ごとにあったパン屋はみなほろび、かろうじていくつかのパン屋が苦戦しながら命脈をつないでいるのが実情だ。在来パン屋の席は大企業が先行獲得したり市場を蚕食しているところだ。衛生的な施設で顧客の願う味を捜し出し全国的に同じ味を出し、円滑な流通網を整えるなど、もはや個人が小資本と技術力をもってしては競争が難しいのが現実だ。
それならその多数あったパン屋に身を置いていた人々は皆どこへ行ったのだろうか。 その大多数が餅屋に切り替えたという。それで餅市場の現実はとても悲観的だが、それは在来の餅屋従事者たちに当てはまる言葉で、パン屋技術者はまだモチを習い未来を夢見ている。在来の餅屋も飽和状態なのに加え、パン屋だった技術者が餅屋をはじめるとして餅の技術を習い在来の市場を少しずつ分け合って食べている格好だ。
パンと餅とは主食と間食の性質を合わせ持っていて、パンの技術を餅につなげて発展的な餅屋が多数生まれた。大人気の餅屋も現れパンに劣らず見栄えが良く美しい餅が作られた。
だが、ここまでだった。ここまでは庶民だけの競争であったから。それならどれほど良いだろうか! パンから押し出された人々が餅で共生できるという話だ。
だが、この餅市場にも大企業が参入したのだ。それで餅市場もいくらも残っておらずパン屋のように大企業がみな蚕食するだろうという予測が出てきている。
私たちの伝統料理である餅市場の構成員は、本当に貧しく苦労して暮らしてきた人々だ。西洋の食べ物の中で洋食とパンは競争と補完の中でそれぞれの学問として発展し体系化され実用学問として私たちの大学で広く教えている。だが、餅は韓国料理の中に埋もれて出られない。全国の大学料理科で製菓・製パンは正式学問だが、餅は韓国料理の中に所属し学問的研究も微弱で大学料理科の餅専攻教授は1人もいない。我が国のパン屋は約8000店で餅屋は約1万9000店、餅屋が2.4倍にもなるにも関わらずこれが実情だ。大学から人材を多く輩出するパン屋は消え、輩出しない餅屋は増えているというアイロニーな現象だ。だから餅市場に従事する人々がどれほど純粋な庶民なのかを察するに値する。
このような問題を被っている餅市場を今回、同伴成長委員会が中小企業1次適合品目に選定したということは歓迎するが、拡張自制に終わるのではなくさらに多くの大企業進入を禁止するべきであった。しかも同伴成長委員会の適合品目勧告は履行強制力がなく実効性がどれくらいあるかも疑問だ。大企業の履行有無を周期的に公表するという計画だが、実質的な制裁手段がないことが問題だ。
暇さえ出来れば庶民のためと叫んだこの政府の政策は、結果的には大企業には好況を享受させ、中小企業と小商工人は没落に追いやった。 今回の中小企業適合品目選定を基点に真に庶民のための姿を見せようとするなら、確実な後続対策を立て、金さえ儲かるなら何でもすべてやってします大企業に対する牽制を確実にすることを望む。
原文: 訳J.S