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韓-米FTAの‘毒素条項’法務部も昨年 警告していた

原文入力:2011/11/06 22:41(1266字)
チョン・ウンジュ記者


昨年出した解説書で明らかに
米国法・慣行そのまま受け入れ
‘最恵国待遇’等 一般性 喪失


←法務部が説明する韓-米FTAの特殊性


韓-米自由貿易協定(FTA)の投資分野条項は我が国が他国と結んだ投資協定(BIT)や自由貿易協定と大きく異なっており相当な注意が必要だという見解を法務部が昨年公式に明らかにしていたことが明らかになった。これは外交通商部と与党が投資家-国家訴訟制(ISD)等が含まれた韓-米協定の投資分野が我が国がこの間結んできた投資協定内容と違わないと主張しているのとは矛盾する内容だ。米国の法原則と慣行、判例などを大幅に受け入れた韓-米協定の‘特殊性’を政府自らが認めていたわけだ。

法務部が昨年10月に発刊した<韓国の投資協定解説書>を見れば、法務部は「韓-米協定発効以後には未来最恵国待遇(MFN)の問題が生ずるため、相当な注意を要望する」として「韓-米協定の特殊性」を強調した。未来最恵国待遇とは韓-米協定の発効後に我が国が他国と更に有利な恩恵を与える投資協定を結ぶ場合、その恩恵を米国投資家にも自動的に付与する制度だ。この解説書は韓-米協定を既に我が国が結んだ投資協定とそれぞれ具体的に比較し説明したものであり、イ・クィナム当時法務部長官が直接発刊辞を書いている。


←法務部が昨年発刊した‘韓国の投資協定解説書‘と投資協定に対して注意を要すると明らかにした本文


法務部は米国の判例をそのまま反映したもう一つの例として‘間接収用’を挙げた。間接収用れとは政府の規制により所有権没収のような財産上の損害が発生した時、国家が補償する必要があるということを規定する法理だ。米国とは異なり、我が国では財産権を絶対的に保障するのではなく憲法23条により財産権行使を公益に適合する範囲に限定しており、間接収用を認めていない。だが、韓-米協定が発効されれば米国投資家はわが国政府から財産権損失に対し補償を受ける余地が大幅に拡大する。ハン・サンヒ建国(コングク)大教授(憲法学)は「米国で形成された法理をそのまま導入すれば、私たちの憲法を危険にしかねない」と批判した。


投資家-国家訴訟制対象を投資契約・投資認可違反まで拡大したことも韓-米協定の特徴だ。韓-米協定は中央政府が外国人投資家と結んだ投資契約や投資認可約定に違反しても国際仲裁を提起できる途を開いてあげた。


イ・ヘヨン韓神(ハンシン)大教授(国際関係学)は「韓-米協定の投資条項を巡り政府内でも憂慮の声がある」とし「政府は合理的な問題提起を‘怪談’として糊塗せずに協定の危険要素を徹底的に検証しなければならない」と話した。


チョン・ウンジュ記者 ejung@hani.co.kr


原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/504193.html 訳J.S