原文入力:2011-04-04午前08:19:44(1522字)
携帯電話・TV・LCD等 営業利益率 急落勢
スマートフォンもアップルに従属
後発走者の追撃も危険
キム・ギョンナク記者
←三星電子営業実績推移
国内最大企業 三星(サムスン)は最近1年間‘危機論’と‘新産業’を語ってきた。代表系列会社である三星電子は昨年、史上最高実績をおさめたが、シャンパンを抜くどころか現実に安住することを警戒する声が社内からは常に聞こえてくる。チェ・ジソン三星電子副会長も去る1日、社内放送を通じ 「今年は新事業推進元年としなければならない」とし、今後 三星電子の目標が事業ポートフォリオの再調整にあることを明確にした。
先月31日に公示された事業報告書は、三星が新事業に集中する理由を如実に示している。何よりも三星電子の主力製品価格推移が目を引く。最近3年(2008~2010年)間にTVは11.8%、携帯電話12.7%、LCD価格は27.9%も大きく下がった。この間、三星を養ってきた主力製品の利益創出力が急激に弱まっているわけだ。
←三星電子主要製品市場占有率および価格推移
実際、三星電子の4ヶ事業部門の中で最も大きな売上比重(37.0%)を占めるデジタルメディア事業部門の昨年営業利益率は0.8%に終わった。1000ウォンを売り8ウォン残る事業をしているわけだ。米国アップルの営業利益率は30%に肉迫している。三星電子関係者は「数年間で主要製品の市場占有率は増えているが、iPhoneのような収益性を高める革新製品は出てきていない」と話した。ただしDRAMなど半導体事業部門のみが進んだ技術を土台に収益性(26.9%)と市場占有率(37.4%)の二兎を捉え三星電子の実績を後押ししているわけだ。
これさえも不安な状況だ。スマートフォン市場の場合、三星電子はハードウェアはもちろん出庫価格策定と発売時期などマーケティング戦略まで全てアップルの動きに従属している。世界1位のTV部門は今年に入っては業界2位のフィルム偏光方式(FPR)3次元TVを持ち出したLG電子の逆襲を受け見苦しい感情的争いを行う境遇になった。<ウォールストリート ジャーナル>も先月30日、両社の葛藤を報道しながら「LGの技術が米国・日本・中国・ヨーロッパで認められている」とし、LGの手を上げる姿を見せた。LCD事業部門も昨年、LGディスプレイに市場占有率1位を奪われ、半導体事業部門は慢性的に騰落が激しい市場状況に依存するために安定した収益を担保できないという評価を受けている。
さらに三星の事業構造は主力製品の大部分が消費財であり、国外売り上げ(約90%)比重が大きいという特徴を持っている。為替レートやオイル価格など対外経済環境に三星電子の実績が左右される余地が大きい。チェ・ジソン副会長は「国際原油価格不安、日本大地震、先進市場の需要沈滞などで困難が加重されている。危機と機会に先行的に対応しなければならない」とし、対外環境変化にともなうリスク管理を強調した。さらに言えば、三星の主力製品は製品差別化が難しい汎用材という特性が強く、後発業者により追撃される危険が高い。中国と台湾などアジア圏国家の企業が三星電子の主力製品市場で強大な競争者として浮上していることも威嚇要素だ。
キム・ギョンナク記者 sp96@hani.co.kr