原文入力:2011-01-02午後08:39:54(2071字)
昨年 貿易黒字 史上最大 417億ドル…キーワードを探る
イ・スニョク記者
2010年、我が国の輸出と貿易収支暫定集計額が各々4674億ドルと417億ドルで史上最高値を記録した。これにより我が国は世界7大輸出国へ背伸びし、来年には世界で9番目に‘貿易1兆ドル クラブ’に加入する展望だ。史上最高輸出実績の中で注視すべき3つの流れを探ってみた。
まんべんなき成長
半導体・自動車が成長をリードし繊維・船舶類なども10%台増
通信 後ずさり
一歩遅れたスマートフォン対応の余波で無線通信機器だけが輸出額減少
前途 霧中
原材料価格・為替レートなど変数 多岐 半導体・造船業界 状況も不透明
■ 順調 昨年我が国の輸出は品目、地域別であまねく成長勢いを示した。品目別には半導体(63.3%)をはじめ自動車部品(62.6%),自動車(39.3%)等が成長勢いをリードし、相対的に競争力が劣る傾向だった繊維類(19.6%),コンピュータ(13.3%),船舶類(10.2%)等も2009年に比べ輸出が10%以上増えた。
輸出地域別にも米国(32.7%),日本(29.7%),ヨーロッパ連合(15.3%)等、先進国(26.9%)と共に、中国と中南米など新興国市場(30.0%)も等しく増加した。中国への輸出は35.2%も増え中国が我が国輸出で占める比重が25%まで上がった。その余波で新興国に対する輸出比重は2008年の68.9%、2009年71.2%から昨年には71.8%に達した。
1980年代後半以後、世界11~13位圏に留まっていた我が国の輸出がこのように質的、量的に背伸びすることになった契機は偶然にもグローバル経済危機であった。 昨年1~10月の輸出額を経済危機が近づく直前の2008年1~10月実績と比較してみれば、我が国(4.3%)は中国(5.5%)と共に輸出が増加した側に属したが、米国(-4.9%)と日本(-6.4%),ドイツ(-17.6%),英国(-18.3)等、主要経済大国らは減少傾向を示した。結局、先進国が経済危機収拾に汲々とし輸出競争力が弱まった間に我が国が相対的に躍進したわけだ。
■ 痛み 国内携帯用端末機製造業者らの一歩遅れた‘スマートフォン対応’は貿易収支にも悪影響を及ぼした。昨年13大輸出品目の内 唯一減少傾向を記録した品目が無線通信機器だ。一時は3大主力輸出商品だった無線通信機器は2009年に輸出(309億9000万ドル)が13.2%減少したのに続き、2010年にも11.6%さらに下がった274億ドルに終わった。反面、iPhoneの製造を受け持っている中国からの無線通信機器輸入は68.5%も増加し単一品目輸入増加率1位を記録した。
対日貿易収支赤字もさらに深化した。情報技術(IT)分野の主要素材・部品に対する対日依存度が改善されないうえに、円高の影響も侮れなかった。昨年12月20日までの対日貿易赤字額は348億8000万ドルで、2009年(276億6000万ドル)に比べ30%近く増加し、再び史上最大赤字記録を更新した。既存最大だった2008年の327億ドルに比べても20億ドル以上増えた数値だ。
■ 曇り 政府は今年の輸出額は昨年対応9.8%増加した5130億ドル、輸入額は14.6%増加した4880億ドルで250億ドル規模の貿易黒字をおさめると見通した。2010年の実績を考慮すれば今年の輸出増加率予想値は無難な方だ。だが、不安な世界景気回復傾向と暴騰する原材料価格、為替レート変動性の深化など悪材料として作用する変数が多い。
足元では石油等エネルギー価格が尋常でない。我が国が主に輸入しているドバイ油は昨年12月バレル当たり90ドルラインを突破したが、肯定的な展望を出す人々も今年バレル当たり80ドル台は維持する可能性が大きいと見ている。為替レートもまた、不安な南北関係などにより流れに対する予測が容易ではない。
昨年輸出1,2位品目である半導体(506億ドル)と造船(497億ドル)側の展望も霧の中だ。半導体の場合、我が国の主力商品であるDRAMの国際価格格下落傾向が続いており、造船業は中国などの追撃にともなう出血受注競争の憂慮が出てきている。
一方、韓国貿易協会は2日‘今年我が国輸出の3大キーワード’として‘パイが大きくなる新興開発途上国内需市場先行獲得’、‘相対的優位を占めるための製品競争力向上’、‘採算性悪化にともなう内容の薄い輸出’を提示した。 貿易協会側は 「輸出増加傾向は継続しても、輸出採算性は悪化する可能性が高いということ」と説明した。
イ・スニョク記者 hyuk@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/456834.html 訳J.S