原文入力:2010-11-17午後08:12:12(1362字)
世代交代型人事の可能性 大
権限承継には多少時間がかかる模様
キム・ギョンナク記者
←三星イ・ジェヨン副社長
三星グループの経営権継承が本格化する兆しだ。
イ・ゴンヒ三星電子会長は17日、専用機で金浦空港を通じ中国、広州アジア競技大会を参観した帰途、イ・ジェヨン(写真)副社長の昇進を既定事実化した。イ会長は「ご子息の昇進を決めたか」という記者らの質問に「はい」と答えた。イ会長がわずか10日前にはイ副社長の昇進について「まだ決まっていない」と話した点に照らせば、今回の広州出張期間に三星年末人事案を相当部分確定したことを示唆する。
イ副社長の社長昇進は、イ会長が最近何度も強調した‘若い組織論’と相まって、今回の三星年末人事が‘イ・ジェヨン体制’構築のための世代交代型形態でなされる可能性が高くなった。三星内外では三星を率いている60才以上の最高経営陣らが大挙して一線から退き、42才のイ副社長と近い40代と50代初めの人材を中心にした大規模抜てき人事を予想している。
だが、経営権継承が5~10年にわたり徐々になされるという展望にやや説得力があるように見える。三星内部事情を熟知しているある財界要人は「イ会長が会長席に上がる前後で先代会長の故ソ・ビョンヘ秘書室長体制を克服することだけで5年以上がかかった」とし「たとえイ会長がはやい経営権継承を推進するといっても現実は容易でないだろう」と展望した。三星で高位職を務めたある学界人士も「イ・ハクス三星電子顧問が10余年間にわたりグループ最大実力者でありながら、グループと系列会社の随所に自分の味方を布陣させた」と話した。
イ顧問を中心とするイ会長側近グループとイ副社長を取り巻く新進勢力の間に競争と協力という‘不安な同居’がしばらくは避けられないということだ。実際、イ・ゴンヒ会長はつとに若い組織論に言及しながらも、国外出張や主要会議にイ顧問を出席させている。イ副社長の社長昇進を決心した今回の中国、広州出張の途にもイ顧問がイ会長に随行した。
イ会長の二人の娘のイ・ブジン ホテル新羅専務とイ・ソヒョン第一毛織専務の動きもイ・ジェヨン副社長としては経営権継承の変数だ。三星が電子と金融部門、外食とレジャーなどサービス部門、化学部門などに系列分離をしながら、イ副社長とプジン・ソヒョン氏が各々分けて引き受けるという観測が今のところは主流だ。このような系列分離シナリオは昨年イ・プジン専務が三星エバーランド経営戦略担当専務を兼任しながら浮上し始めた。イ・プジン専務が今年に入り三星物産建設部門に対する経営診断(監査)を主導するなど、歩幅を大きく広めていきながら三星の経営権継承構図が一層複雑になる可能性も提起されている。三星グループ関係者は「まだ正式人事も出てこない状況で経営権継承や後継構図などに言及するのは無理がある」として拡大解釈を警戒した。
キム・ギョンナク記者 sp96@hani.co.kr