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政府、物価上昇・資産バブル 育てる

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/444164.html

原文入力:2010-10-17午後09:39:52(1643字)
[ニュース分析] 為替レート対策持たずに金利凍結
二兎捉えるために‘金利 正常化

アン・ソンヒ記者

全世界的‘為替レート戦争’が日に日に深化しているなかで、わが政府の政策対応が逆向しているという憂慮が出ている。押し寄せるグローバル流動性に対する対策準備には手をこまぬきながら基準金利は凍結させることにより物価上昇と資産バブルを育てている可能性が高いということだ。市中金利はすでに物価上昇率を下回り、事実上‘マイナス金利’時代に入り込んだ。

去る14日、キム・チュンス韓国銀行総裁は基準金利を2.25%に凍結しながら‘為替レート戦争’を理由に挙げた。金利を上げれば外国人投資資金が更に襲ってきて為替レート下落(韓国ウォンの価値上昇)圧迫要因になるということだ。だが同日、企画財政部は外国人債権投資に対する利子所得税復活論議に対し 「現在は検討していない」として、外貨流入にブレーキをかける意向がないことを明らかにした。政府は昨年ドル不足を理由に外国人債権投資税金を免除した。ある債権ディーラーは「市場では政府が物価のために金利を上げ、代わりにドル流入を防ぐために資本輸出入規制を施行するという展望があった」として「結果は反対に出てきた」と話した。

金融監督院の資料によれば、今年に入り去る15日まで外国人は国内株式・債権市場で何と75兆7340億ウォン分を買い入れた。外国人資金の過度な流入は資産市場を過熱させ、今後 対外環境の変化で資金が一度に抜け出る場合には全体経済に大きな衝撃を持たらす。これに伴い、ブラジル、タイ、インドネシアなど他の新興国らは最近相次ぎ資本流入統制に出ているが、わが政府は去る6月の先物為替取引制限以後これといった対策を出していない。

政府が別の対策を出さない中で、罪の無い通貨政策だけが流れ弾に当たった。物価上昇に対する憂慮が大きくなっているにも関わらず、超低金利水準の基準金利を再び凍結したのだ。為替レート戦争が短期間に終わる可能性が少ないので、韓銀の金利引き上げもやはり年内にできる可能性は少ないというのが市場の大方の見解だ。

結果的にグローバル経済条件から始まった外国資金流入と国内超低金利の長期化による過剰流動性が相俟って物価上昇と各種資産のバブルが現れかねないという憂慮が大きくなっている。

去る15日、KOSPIは1900台に定着し、3年満期国庫債金利は史上最低値(債権価格は史上最高値)の3.08%に下がった。産業銀行の1年満期定期預金の‘自由自在定期預金’金利は年2.93%に下がり、‘預金金利2%台時代’を開いた。去る9月、消費者物価上昇率が3.6%だったという点を考慮すれば預金・債権金利が事実上マイナスという意味だ。シン・ドンソク三星証券研究員は「去る2004年にも実質金利がマイナスに切り替わりながら国内資金が株式と不動産に本格移動した」として「来年には韓国経済で資産価格の‘ブーム’が発生するだろう」と見通した。

これに伴い、専門家たちは‘基準金利正常化+資本輸出入規制’の政策組み合わせを通じてインフレと資産バブルを抑制し、外国為替市場変動性も緩和することを注文する。ソン・テジョン ウリ金融持株会社研究委員は「ファンダメンタル(経済基礎条件)にともなう為替レート下落は容認しながらも、投機資本課税等を通じて資金輸出入に対する‘敷居’を作ることが重要だ」と話した。 カン・ギョンフン東国大教授(経営学科)は「金利引き上げを通じて家計負債などの潜在不良を防ぎ、外貨流動性規制を通じて金融市場の安定を誘導しなければならない」と話した。 アン・ソンヒ記者 shan@hani.co.kr

原文: 訳J.S