本文に移動
全体  > 経済

三星電子 営業利益 停滞…攻撃経営‘別れ目’

原文入力:2010-10-07午後07:42:45(1628字)
3分期 売上 40兆に増えたが営業利益 5兆達成 失敗
IT不振 長期化憂慮の中‘投資拡大’持続可否 苦心

キム・ギョンナク記者

←三星電子 売上および営業利益 推移

三星電子の3分期(7~9月)実績が市場期待値を下回り、三星電子の悩みもより一層深まっている。既存戦略どおり収益性を犠牲にしても市場支配力を拡大する形の攻勢的事業戦略をそのまま維持するかを巡り、選択の分かれ目に立ったためだ。特に情報技術(IT)業界の業況不振がどれくらい続くかを推し計ることも難しい状況のために、三星電子がどんな行動に出ることが出来るかに関心が集まっている。

■期待値に至らない3分期実績
三星電子は7日、公示を通じて売上40兆ウォン、営業利益4兆8000億ウォンの3分期暫定実績を公開した。2分期に比べ売り上げは4.47%増えたが、営業利益は逆に4.19%減った。この間、証券街では営業利益が最小限5兆ウォンを越えるという展望が多かったために‘オーニングショック’(意外で衝撃的な実績)という言葉も出回った。この日、三星電子の株価は前日より3%近く急落した。

三星電子が期待に至らない実績をおさめたのは世界経済が再び沈滞に陥るかも知れないという憂慮が消費不振につながり、半導体やLCD等 主力製品価格が急落することが大きい。だが、三星電子特有の攻撃的事業戦略も影響を及ぼした。この間、三星電子は業況が振るわない時は反対に攻撃的投資に出るなど収益性を犠牲にしても市場支配力を拡大する戦略を取ってきた。3分期の売上は増えたが営業利益は減ったのもこういう戦略を取った結果だ。

実際にLCDパネル価格が4ヶ月連続下落するや、LGディスプレーは去る8月に生産量を10%ほど減らしたが、三星電子は大規模減産を避けてきた。去る8月にメモリー半導体のDRAM価格が急落する渦中にも、三星電子は攻撃的投資計画を実行に移した。今年上半期に三星電子が史上最大の利益をおさめたのも、昨年の金融危機の余波で競争会社が大幅に萎縮している時に攻撃的戦略を駆使したおかげだった。

■攻撃的な行動が続くだろうか?
カギは情報技術業況不振がいつまで続くかだ。ディスプレーサーチやガートナーなど国外市場調査機関らは業況不振が長期化するという側に重きを置いている。特にガートナーは去る5日、ソウルで開かれた‘アジア・太平洋半導体ロードショー(説明会)`でDRAM半導体市場が今後2年間マイナス成長するという悲観的なシナリオを出した。

全般的な来年経済環境が容易でない点も変数だ。国際通貨基金(IMF)は去る6日、来年の世界経済成長率展望値を去る7月に発表した展望値より0.1%下方調整した。今年の成長率展望値(4.8%)に比べ、来年は世界経済成長速度が鈍化するわけだ。

これとは異なり、タブレットPCやスマートフォンなど新しい電子機器が登場する上に中国など新興市場の硬い需要基盤に期待をかける声も多い。ソン・ジョンホ大宇証券アナリストは「来年初め、中国の春節期間にどの程度の需要が起きるかが一次的な関心ポイント」として「現在は来年1分期頃、三星電子の実績ターンアラウンドがあると見ている」と明らかにした。

このように来年の業況展望が大きく交錯しながら、三星電子は来年度事業計画樹立と関連し苦心を繰り返している。三星電子のある役員は「来年も投資を拡大する既存スタンスは維持されるものと見られる」としつつも「だが、業況の動きにより色々なシナリオを置き対応戦略を用意していると理解している」 と用心深い雰囲気を表わした。

キム・ギョンナク記者 sp96@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/it/442735.html 訳J.S