サムスン電子が四半期営業利益100兆ウォン時代を切り開いたことで、人工知能(AI)による半導体の超好況は当面続くとの見通しが数字で確認された。ただし、サムスン電子の内部では、半導体と完成品の明暗が鮮明に対照をなしている。
8日、サムスン電子が公示した今年第3四半期(7~9月)の暫定営業利益を見ると、107兆4千億ウォン(約12.6兆円)に達する。昨年第4四半期の20兆1千億ウォンから、今年第1四半期には57兆2千億ウォン、第2四半期は89兆5千億ウォンへと着実に増加し、ついに100兆ウォンの壁を突破した。
世界の半導体業界を席巻した超好況の波にそっくり乗った。この日、世界最大のファウンドリ(半導体受託生産)企業である台湾のTSMCも、今年第3四半期の売上高が1兆4900億台湾ドル(約7.3兆円)となり、前年同期比で51%増加したと発表した。すでに業績を発表したマイクロンも、四半期最高業績とともに、2027~2028年のメモリ需給は今年よりはるかに逼迫するとし、メモリ好況が続くと予告した。AIデータセンターの増設競争が冷めない中、急増したメモリ需要を背景に、半導体価格の上昇傾向が続いている。
しかし、メモリ半導体部門の天文学的な利益の行進により、「総合家電会社」や「ファウンドリビッグ2」など、サムスン電子のかつての地位と目標は見えなくなっている。スマートフォンやテレビ、生活家電を生産する完成品(DX)部門は、発足後初の赤字を記録した第2四半期に続き、第3四半期も赤字が続いているようだ。暫定業績の発表後、証券会社はモバイル(MX)事業部の損失を1兆~2兆ウォン規模と推計した。半導体事業に100兆ウォンの営業利益をもたらしたメモリ価格急騰が、他の事業部の完成品にはコスト負担として作用した。
同じ会社でも社員への報酬が大きく分かれことが、長期的にどのような影響を及ぼすかは不透明だ。前日に公開された半導体部門の特別経営成果給の詳細案によると、年俸8000万ウォン(約940万円)台前半のメモリ事業部社員が、既存の成果給を含めて税引前で約7億5000万ウォン(約8800万円)を受け取ると労働組合は推計した。赤字を出した完成品部門は成果給の対象ではない。サムスン電子内部では、半導体事業と完成品事業の業績格差が拡大し、「一つ屋根の下に二つのサムスン電子」という言葉まで飛び交っている。
さらに、サムスン電子が好況と不況を繰り返す「メモリーサイクル」から脱却するために積極的に投資したファウンドリ事業も、当初の期待に応えられていない。市場調査機関「カウンターポイントリサーチ」が公表した2026年第2四半期のファウンドリ市場シェアを見ると、TSMCは73%、サムスンは7%だった。2年前に65%対10%だった差が、さらに広がった。
「経済プラス研究所」のイ・ヨンウ代表は、「ファウンドリのように育てるべき事業に優秀な人材を送り込もうとしても、報酬格差が大きければ行きたがらないだろう」とし、「一つ屋根の下で全ての部門を均等に経営するには、会社全体の成果をどう分けるかという原則を定めなければならない」と述べた。