「円安現象」がトレンドとして継続している理由として、米日の金利差や日本の拡張的財政政策に加え、日本の経常収支黒字が日本国内に還流しないという構造的要因が作用しているとの分析が出ている。韓国が日本の事例から学び、韓米関税交渉などにより米国への投資が増加している状況で投資利益が韓国国内に還流するよう導く仕組みを構築する必要があるとの提言が出ている。
7月末ごろ、東京外国為替市場で1ドル=163円台を記録していた円・ドル相場は、米国と日本の財務・為替当局が円の価値防衛のために15兆4000億円にのぼる史上最大規模の為替協調を実施した後、17日現在は155円台で短期的な強含みとなっている。これについて、IBK企業銀行経済研究所は報告書で、「最近の円相場の反発は、米日通貨協調介入の効果というよりも、日本銀行の利上げへの期待や日本国債利回りの上昇、日本の公的年金による国内債券投資拡大の可能性などが反映されたものとみられる」とし、円は依然として過去水準(2020年平均ドル当たり106.8円)に比べ約44%円安で、長期的な円安傾向は継続中だと診断した。
特に同研究所は、「トレンドとしての円安傾向が持続している背景には、日本が対外直接投資(FDI)および証券投資(債券・株式など)で稼ぐ年間40兆円を超える本源所得(経常収支項目の一部)のうち、相当額が日本国内に還流されていないという構造的要因がある」と診断した。2011年の東日本大震災以降、日本の経常黒字の実質的源泉は、商品輸出ではなく、海外直接投資・証券投資によって得られる海外投資所得(本源所得収支)中心へと転換した。日本の経常収支は昨年、32兆2000億円の黒字を計上したが、そのうち本源所得が41兆8000億円で、財・サービス部門の赤字(-4兆円)を上回った。過去の「国内生産・輸出→外貨本国還流→円買い」構造が「海外投資→海外所得発生→相当部分が海外再投資」構造に転換され、経常黒字が即時の円買い需要に結びつかず、円安が固定化しているということだ。
2011年の東日本大震災以降、日本企業は国内生産の混乱リスクを分散するため、積極的な海外M&Aと生産拠点の多様化を行い、海外直接投資を大幅に拡大した。昨年、日本が海外直接投資で得た所得は、配当金と再投資収益を合わせて26兆2000億円に達した。しかし、海外で得た利益の相当部分が、内需が縮小した日本国内よりも成長性の高い海外現地に再投資されているため、本国へのドル還流が制限され、円買い需要(得たドルを円に両替すること)も弱まった。
証券投資もまた、日本系金融機関(年金基金・保険会社など)ごとに海外債券・株式を中心に投資を拡大し、日本全体の対外純資産(2025年1806兆6000億円)に占める海外証券投資の比率は、昨年の42.5%(768兆7000億円)に達するほど高まった。日本は米国債保有で世界1位(昨年6月、1兆1167億ドル)だ。対外資産が莫大な規模で蓄積されているが、この対外投資資産から生じた所得がそのまま海外に留保され、本国に還流しない悪循環構造が深刻化している。
同研究所は「円安の主な要因が生産拠点の海外移転および海外所得の本国への還流不足である点を教訓とし、海外で発生した国内企業の利益が本国に還流しやすい環境を整備すべきだ」とし、「(韓国は)今後、対米投資の拡大など企業の海外進出の際には、国内生産基盤の全面的な移転を避け、主要中間財などの国内生産基盤を維持して現地供給と連携(中間財輸出)することで、国内輸出の増加および海外で発生した利益の国内還流が持続可能になる」と提案した。