来年、グローバル半導体市場が初めて1兆ドルに達するという予想が出た。人工知能(AI)が率いる半導体好況で2030年に1兆ドル規模を突破するという当初の展望を4年も操り上げた。サムスン電子、SKハイニックスのような韓国企業もこうした流れのおかげで好業績が見込まれる。
世界半導体市場統計(WSTS)は8日、「2025年秋の展望」を通じて、今年の半導体市場が昨年より22%成長し、7720億ドル水準と予想されると発表した。これは、直前の予測値だった夏の予測当時の成長率を7%引き上げたものだ。
このような半導体市場の高成長は、AIの発展のおかげだ。高帯域幅メモリー(HBM)は、大量の情報を迅速に処理できるAIの必須半導体だ。ここに保存した情報を土台に自ら答えを探す推論型AIが発展し、膨大な容量の情報保存に必要な汎用DRAMとNANDフラッシュなどメモリー半導体の需要も増えている。
世界半導体市場統計は、AIの発展が2030年になってこそ達成できると考えられていた半導体市場の初の1兆ドル規模の達成を2026年に繰り上げることができると見た。カウンターポイントリサーチなど市場調査会社と米国の半導体企業AMDの展望を4年も短縮したのだ。世界半導体市場統計は「来年の世界半導体市場は25%以上の成長傾向を見せるだろうし、メモリー半導体など大部分の半導体品目が緩やかな成長の流れを維持するだろう」と展望した。
特に来年の市場成長率は米国(29.1%)に続きアジア・太平洋(24.9%)地域が2番目に高いと見た。主要半導体企業が米国と韓国、台湾と中国などの地域に集中しているためと分析される。
実際、韓国の半導体企業の業績見通しも明るい。高帯域幅メモリーの先頭走者であるSKハイニックスはもちろん、DRAM部門の市場占有率1位であるサムスン電子は当分の間、AIの恩恵を受ける可能性が高い。特に最近グーグルの最新AI「Gemini 3.0」に適用されたテンソル処理装置(TPU)が既存のNVIDIAのグラフィック処理装置(GPU)との競争を宣言し、新しい市場が開かれただけに半導体の需要は以前にもまして大きくなると展望される。
一方、金融情報会社のエフエヌガイドは今年、サムスン電子の営業利益推定値を38兆3501億ウォン(約4.06兆円)と提示した。来年にはその2倍以上の80兆ウォン(約8.5兆円)を突破すると見た。SKハイニックスの今年の営業利益の推定値は42兆4605億ウォン(約4.5兆円)、来年の推定値は73兆2399億ウォン(約7.75兆円)で、72.5%程度の高成長を予想した。