サムスン電子が1360ウォン台になったウォン高ドル安に苦しんでいる。第1四半期の業績悪化を食い止めた1400ウォン台半ばのウォン安の為替レートを、第2四半期には期待しにくくなったためだ。特に、半導体をはじめとする主要事業の実績を巡る不確実性が大きいため、その懸念はさらに強い。
27日に確認したサムスン電子の資料によれば、同社は今年第1四半期(1~3月)に直前四半期に比べドル高により利益が約5千億ウォン(約500億円)増える効果を得た。ドル取引の比重が高い部品事業を中心に為替レートの恩恵を受けたというのが会社側の説明だ。ドルに対する韓国ウォンの相場は、昨年第4四半期の平均1398.7ウォン(午後3時30分基準)から、今年第1四半期には1452.9ウォンへとウォン安が進んだ。
サムスン電子の業績悪化を防いだ要因の一つが為替レートだったという話だ。サムスン電子の営業利益は、昨年第2四半期の10兆4439億ウォンから第4四半期に6兆4927億ウォンへと、2四半期連続で減少傾向を記録したが、今年第1四半期には6兆6853億ウォンへ小幅に増えている。為替レートのおかげで増加した利益の約5千億ウォンがなかったら、3四半期連続の悪化傾向は避けられなかったわけだ。
このため、サムスン電子内外では最近の為替レートのウォン高傾向に関心が集まっている。ドルに対するウォン相場は26日午後3時30分、ソウル外国為替市場で1364.4ウォンまで上がり、昨年10月16日(1362.6ウォン)以来のウォン高を記録した。27日も1369.5ウォンと小幅なウォン安に止まった。第2四半期に入ってから27日までの平均為替レートは1421.4ウォンで、直前四半期より30ウォンほど上がっている。
為替効果の空白を埋めるに足る別の要因を探すのも難しい状況だ。第1四半期に営業利益4兆3千億ウォンを稼ぎ、会社全体の業績を支えたモバイル(MX)事業部は、第2四半期には後退する可能性が高い。1月に発売した「ギャラクシーS25シリーズ」の発売効果がますます薄まるためだ。半導体はオフシーズンの第1四半期を過ぎて第2四半期から反騰する見通しだが、最近は技術競争力で危機に陥っているだけに、改善の幅を巡る不確実性が大きい。
韓国の証券界隈は、サムスン電子が第2四半期に再び逆行する可能性もあるとみている。FnGuideが集計したサムスン電子の第2四半期の営業利益見通し平均は6兆9213億ウォン(約7200億円)だが、為替レートのウォン高傾向が明確になった最近は期待値を引き下げる証券会社が増える傾向だ。テシン証券のリュ・ヒョングン研究員は21日に6兆3160億ウォンを、ハンファ投資証券のキム・グァンジン研究員は15日に6兆3240億ウォンを見通しとして提示した。