米国内の造船業への投資は危険性が高く、投資費用の回収に長い時間がかかるため、韓米交渉の際、補助金など支援の約束を取り付ける必要があるという報告書が公表された。同報告書は、米国の造船業再建は短期的には同盟国の船舶を活用するが、長期的には現地造船所への投資の誘導を目指していると分析した。
19日、韓国経済人協会が韓国海洋大学のリュ・ミンチョル教授に依頼して作成した報告書「米国の造船産業分析および韓米協力での示唆点」によると、米国は韓国や日本など同盟国の造船業との協力で中期・短期的には商船および艦艇の需要に対応し、長期的には米国内への投資誘致を通じて造船産業インフラを再構築することを目指すだろうとの見通しを示した。
報告書は「米国は数十年間にわたり造船インフラが立ち後れてきており、人材、サプライチェーンとバリューチェーンの条件などが韓国と異なるため、韓国企業の米国現地事業で韓国内と同じような生産性を得ることは難しいと予想される」とし、「米国で建造した船舶を世界で運航する場合、高い建造費用により経済性が低下するだろう」と指摘した。
米国は韓国の造船会社に軍艦の整備および建造、エネルギー船舶建造などを発注する可能性に言及しているが、同時に立ち後れた米国造船業への直接投資に向け、次第に圧力を強めている状態だ。米国国内で船を造れということだ。
報告書は「米国の造船産業の再建のためには、長期間にわたる大規模投資を通じてインフラの改善、生産性向上、人材確保などが伴わなければならない」とし、「まず米国内の造船所買収および関連機材の事業への投資に対する補助金の内訳を具体化しなければならず、米国内の造船所の生産性改善案と、韓国企業が買収した米国造船所の敷地および周辺インフラ整備案についても両国政府の事前協議が必要だ」と強調した。
さらに「韓国の造船業界が米国現地の事業を推進する際、人材とサプライチェーンの基盤を整える戦略を米国と共に設け、米国の支援政策が一貫性を維持できるよう両国の持続的な協議が必要だ」と再度強調したうえで、「米国政府の政策基調が変わる可能性にともなう事業リスクを綿密に点検することも重要だ」と指摘した。