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ハンファグループ、豪の防産企業オースタルの持分買収へ…米艦艇市場進出の布石=韓国

登録:2025-03-18 20:01 修正:2025-03-19 07:08
オースタルの米国内造船所の全景=ハンファ提供//ハンギョレ新聞社

 ハンファグループがオーストラリアの造船・防衛産業企業であるオースタルの持分を買収した。米国に造船所を保有しているオースタルの筆頭株主になり、米国の艦艇市場に進出する戦略だ。

 ハンファは17日にオーストラリア証券取引所の場外取引を通じてオースタルの持分9.9%を直接買収したと明らかにした。また、オーストラリア現地の証券会社を通じてさらに9.9%の持分に対しても総収益スワップ(TRS・株式を直接保有せずに資産に連動した収益・損失だけを受け取る)契約を締結したと明らかにした。ハンファはこの二つの取引でオースタルに対して直接・間接的に19.8%の持分を確保することになった。現在、筆頭株主のタッタラン・ベンチャーズ(Tattarang ventures 17.09%)より多い持分だ。

 ただし、オーストラリアでは国外投資家が10%以上の持分を確保するためには、外国人投資審議委員会(FIRB)の承認を受けなければならない。これを受けてハンファは同日、豪州の外国人投資審議委員会に持分買収に関する承認を要請した。

 ハンファのオースタル持分買収は、豪州現地法人(AA No.1 PTY LTD)を通じて行われた。前日、ハンファシステムとハンファ・エアロスペースは、オーストラリア現地法人の第3者割当有償増資に参加し、それぞれ2027億ウォン(約209億円)、642億ウォン(約66億円)の資金を投入すると公示した。オーストラリア現地法人は、調達された資金を全てオースタル持分の買収に投入する計画だ。

 ハンファのオースタル買収は再挑戦だ。昨年4月、オースタルに約8千億ウォン台の買収価格を提案したが、オースタルの理事会が買収提案を断った経緯がある。これを受けて場外株式市場で持分を集めた。

 オースタルは、米海軍に艦艇を供給する4大主要企業のうちの1社だ。米アラバマ州モービルとカリフォルニア州サンディエゴに造船所を持ち、米国内の小型水上艦と軍需支援艦市場でシェア1位を占めている。オーストラリアは2021年に米国・英国とオーカス(AUKUS)を結成するなど重要な安保同盟国だ。

 ハンファは、オースタルの買収を通じて米艦艇市場への進出を狙っている。トランプ政権が米国艦艇維持・保守・整備(MRO)や艦艇建造などと関連して韓国との協力を言及しているためだ。現在、米国艦艇は自国内の造船所でのみ建造が可能だ。米議会が同盟国でも建造できるように法改正を推進しているが、それまでは米国内に造船所があることが有利にならざるを得ない。

チョン・スルギ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/1187583.html韓国語原文入力:2025-03-18 18:57
訳J.S

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