韓国の国土交通部が全国13カ所の空港の方位角施設(ローカライザー)を全数調査したところ、務安(ムアン)空港を含む7つの空港の9カ所の施設について改善が必要であることがわかった。済州(チェジュ)航空惨事の被害を拡大したとされる務安空港のコンクリートの構造物のように危険性の高いローカライザー施設が、他の空港にも8つはあるということだ。国土交通部はこれらの施設を年内に改善するとした。
国土交通部が2日から8日にかけて全国の13の空港でローカライザーを含む航行安全施設の位置と材質を調査したところ、務安空港以外に光州(クァンジュ)空港、麗水(ヨス)空港、浦項慶州(ポハンキョンジュ)空港に各1つずつ、コンクリートの土台形式のローカライザーの構造物があったと、13日に明らかにした。金海(キムヘ)空港(2つ)と泗川(サチョン)空港(2つ)にはコンクリートの基礎が一部地面の上に突き出た構造物が、済州空港にはH型の鉄鋼の堅い構造物があったことが調査で判明した。
いずれも航空機と衝突した際には簡単に壊れない危険な構造物に該当する。すべての空港の32カ所のローカライザーのうち、残りの7空港の26施設は、ローカライザーの構造物が地中に埋められた状態にあることがわかった。国土交通部は「方位角施設は今月中に改善案を設け、年内に改善を完了することが目標」だと明らかにした。
国土交通部は、今月24日までにローカライザーを含む全国の空港の施設改善計画も設け、航空安全の全分野にわたる改善案を4月まで発表することにした。国土交通部の傘下にある航空鉄道事故調査委員会(調査委員会)の独立性の強化のための組織改編も推進する。コンクリートの土台の設置をめぐって規制当局である国土交通部の責任論が浮上しており、国土交通部傘下の調査委員会が「自己調査」で責任を軽減しようとしているのではないかという指摘が出ている。国土交通部は、事故調査委員会を部署の外部に独立させる案も視野に入れ、改善の方向性を検討する計画だ。
一方、国土交通部はこの日、済州航空惨事の機種である「ボーイング737-800」の特別点検で、規定違反の事例が一部摘発されたことを明らかにした。国土交通部は先月30日から今月10日にかけて、6社の韓国の航空会社が保有する同じ機種101機に対し、主要系統ごとの整備履歴や手続き順守などについて全数点検を実施した。国土交通部はこのうち、2社で航空機の点検周期を基準より2時間超過したり、整備点検完了後のサインが出る前に乗客の搭乗が始まったりした事例などを確認した。国土交通部は、該当の航空会社を対象に行政処分を行う予定だ。
国土交通部はさらにこの日、両側のエンジンが停止する場合に備えた訓練を訓練マニュアルに反映して定例化し、バードストライク時の対応手続きを飛行前の会議に加える案を検討することにした。