米国の「トランプ2期目」発足を控え、LG電子の経営陣が不確実性の高まった経営環境に対する診断を発表した。これからは決まった秩序や規則のない状況で競争しなければならないだけに、様々なシナリオに備える必要があると指摘した。
18日、LG電子の発表によると、チョ・ジュワン代表取締役社長は前日、社内の構成員と交流するイベント(CEO F.U.N Talk)を開催した。テーマは「持続成長のためのリインベント(REINVENT)、構造的競争力確保のための限界突破」だった。職員・役員1万人あまりがオンラインとオフラインで参加した。
イベントでチョ社長は、来年のグローバル経営環境の変化と、これに対応する事業戦略の方向を共有した。来年初めに米国のドナルド・トランプ次期大統領が再び政権に就くことで、通商環境が急変する可能性を念頭に置いたものと思われる。チョ社長は「世界経済は地政学時代から地経学(geo-economic)の時代に変化している」としたうえで、「これまではグローバル市場で通用する秩序と規則が存在したが、これからは秩序や規則のない世界で、生存のための激しい競争を繰り広げなければならない状況が標準」だと述べた。これに備えて、LG電子は外部の専門家と協力し、様々なシナリオと対応案を盛り込んだ「プレイブック」を準備中だ。
中国企業の激しい追撃も話題になった。チョ社長は、中国企業の技術・価格競争力に言及し、これに対応するために、製品・原価・運営の側面で構造的競争力を確保すると明らかにした。さらに必要に応じて外部の企業と協力するなど、柔軟な対応戦略も模索すると述べた。チョ社長は「危機は危険と機会が合わさった話でもある」として、「危機であるほど、成長の機会を発見することに集中し、賢明に解決する」よう求めた。