SKハイニックスの今年第3四半期の営業利益が、過去の超好況時代に達成した記録を超えたことが分かった。サムスン電子の半導体部門も抜いたと推定される。人工知能(AI)競争力の優劣が実績にそのまま反映され始めたということだ。約30年間「サムスン1位体制」だったメモリー半導体産業に地殻変動が起き始めたとの評価が出ている。
SKハイニックスは今年第3四半期(7~9月)に売上高17兆5731億ウォン(約1.9兆円)、営業利益7兆300億ウォン(約7700億円)を記録したと24日、明らかにした。それぞれ直前四半期より7%、29%増えた数値だ。売上より利益が急速に増加し、営業利益率も33.3%から40.0%に跳ね上がった。第3四半期の営業利益は証券街の見通し平均(6兆7628億ウォン)を上回り、「半導体超好況」時代だった2018年第3四半期に同社が達成した最高記録(6兆4724億ウォン)をも上回った。
今回の実績は、先端半導体の競争力の重要性を如実に示している。最近、旧型のメモリー半導体の景気は中国企業の低価格攻勢とスマートフォン、パソコンの需要萎縮で凍りついている。ハイニックスも「第4世代DRAM(DDR4)のような旧型製品の販売量は直前四半期より減った」と明らかにした。ハイニックスの売上の成長が鈍化した背景だ。これに先立ってサムスン電子も第3四半期の実績悪化の原因として旧型メモリーを指摘している。
それでもハイニックスがサムスンとは異なり利益を大幅に増やすことができた原因は、何といってもAIだ。旧型メモリーとは異なり、AIに必要な先端メモリーの需要は依然として多いが、ハイニックスはこれらの製品群で優位を占めている。高帯域幅メモリー(HBM)と第5世代DRAM(DDR5)、NAND基盤の企業用保存装置(eSSD)など高価な製品が全てこれに該当する。会社は特にAIチップに入るHBMの売上が直前四半期より70%以上増えたと説明した。
業界では、メモリー半導体の「サムスン電子1位体制」が揺らぎ始めたとの評価が出ている。サムスンは1993年以後、メモリーのシェア1位を守り続けてきたが、最近はHBMをはじめとする先端半導体の領域で苦戦している。HBMのシェアだけを見れば、NVIDIA(エヌビディア)に事実上独占供給しているハイニックスが圧倒的1位を占めている状況だ。
収益性の側面でもサムスンがすでに1位を奪われたという観測が多い。証券街が推算したサムスン電子半導体(DS)部門の第3四半期の営業利益は概して4兆ウォン台だ。ハイニックス(7兆300億ウォン)とは2兆ウォン以上の差がある。このとおりならば、サムスンの第3四半期の業績を引き下げた成果給引当金のような一回性の要因を排除したとしてもハイニックスがリードした可能性が高い。
ハイニックスは今後、先端半導体にさらに集中して「収益性1位」の座を固める戦略だ。ハイニックスはこの日「来年も(HBMの)供給より需要が強い状況が続くだろう」とし「レガシー(旧型)製品は急速に縮小し、中長期成長が予想される高付加価値市場に選択と集中をする」と話した。