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「高帯域幅メモリー」競争で遅れを取ったサムスン電子…第2四半期の売上に暗雲

登録:2024-06-24 20:00 修正:2024-06-25 07:51
「AI強者」エヌビディアによる検証が終わるまで納品が遅れ 
第2四半期の「第5世代HBM」の売上目標達成は不透明
サムスン電子の瑞草社屋/聯合ニュース

 「第5世代高帯域幅メモリー事業化の場合、顧客企業のタイムラインに合わせて順調に進んでおり、(中略)早ければ第2四半期末から売上が発生すると予想されます」(サムスン電子、4月実績説明会)

 サムスン電子は株主の前で掲げた目標を達成できるだろうか。会社の第5世代高帯域幅メモリー(HBM3E)の売上をめぐる市場の見通しが暗くなっている。エヌビディア(NVIDIA)に納品する時期が予想以上に遅れ、実質的に目標達成が困難になったという分析だ。サムスン電子が「人工知能(AI)の必須材」であるHBM競争で遅れを取った後、なかなか挽回できずにいる。

 24日に確認したサムスン電子の事業報告書によれば、同社のHBM3Eの売上が発生するのは製品の船積み時になる可能性が高い。サムスン電子は「財貨の統制が顧客に移転される時点で収益を認識する」と明らかにしているが、通常、業界では船積み時点で統制が移転される契約条件に従う。今月中にHBM3Eを船積みしさえすれば目標を達成できるわけだ。

 問題は、サムスン電子が今月中にHBM3Eの供給を始める可能性が低いという点だ。まず、エヌビディアでは検証手続きがまだ終わっていないという。証券界隈では、サムスン電子が製品設計を変更しなければならない可能性も取り上げている。AMDの場合、サムスン電子のHBM3Eを搭載した新製品(MI325X)を今年末に発売する計画だ。サムスン電子からHBM3Eの納品を受け始める時点は、第3四半期以降になる公算が大きい。

 そうなると、残る選択肢は「サンプル売上」を前面に出すことくらいだ。通常、半導体企業は正式納品前にサンプルを提供し、その代価として一定金額を受け取るが、この金額も売上として認識する。これに先立って、サムスン電子もエヌビディアに検証用としてHBM3Eを提供したため、代価を受け取ったと推定される。AMDも新製品の量産前に試験用生産をしなければならないため、サムスン電子からサンプルを受け取ったか、これから受け取る可能性が高い。この他にシェアが微々たる他の企業で上げた売上を掲げることもありうる。

 ただしその場合、実質的な目標達成には失敗したとの評価は避けられない。市場がサムスン電子のHBM3Eの売上に注目する理由は、企業の技術競争力が回復しているかどうかを見極める指標であるためだ。AI半導体の絶対強者であるエヌビディアの敷居を越えたかがカギだという話だ。エヌビディアで正式な売上を確保できず、サンプルの売上などを前面に出す場合、投資家の評価はさらに厳しくならざるをえない。サンプルの売上を成果として言及することは、半導体業界の慣行にも反するという評価が多い。

 市場の視線はサムスン電子の発表に注がれている。同社は来月の第2四半期業績説明会で、HBM3Eの売上が発生したかについて説明する計画だ。業界のある関係者は「サムスンが第2四半期内に正式供給を始めることは難しそうだが、サンプルが行き来する過程でも売上が発生するので、その部分を言及するのではないかと思う」と述べた。

イ・ジェヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/1146209.html韓国語原文入力:2024-06-24 17:28
訳J.S

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