本文に移動
全体  > 経済

AI時代にも生き残る仕事は…「協同・共感能力が重要」

登録:2024-06-12 00:36 修正:2024-06-12 10:13
韓銀報告書「労働市場における社会的能力の重要性の高まり」
クリップアートコリア//ハンギョレ新聞社

 労働市場においては、人工知能(AI)や自動化技術による代替が難しい協同の精神や共感能力などの「社会的能力」の重要性が高まっている。このような研究結果が発表された。

 10日に韓国銀行が発表した報告書「労働市場における社会的能力の重要性の高まり」によると、最近は社会的能力が要求される仕事の比重が高まっており、賃金補償も増えている。同報告書の定義によると、社会的能力(social skill)とは、協同、交渉、説得力、社会的認知力(他人の感情や反応を理解する能力)などの、働くうえで他人との関係を円滑にする「非認知的能力」のこと。

 報告書によると、2008~2022年の14年間で、労働投入の面で社会的能力が集中的に必要な仕事の比重は7ポイント(49%→56%)高まった。同じ期間に数学的技術(math skill)が集中的に必要な仕事の比重も5ポイント(50%→55%)高まっているが、上昇幅は社会的能力が要求される仕事より小さかった。一方、要求される数学的、社会的能力がいずれも低い仕事の比重は8ポイント(43→36%)低下。これは、各地域ごとの雇用調査を用いて1200の職業群を数学的あるいは社会的業務の強度により分類し、分析したもの。

 賃金の面でも、社会的能力に対する賃金補償の方が数学的能力に対する補償の水準より相対的に高まりつつあった。2007~2015年の社会的能力が1単位(1標準偏差)高い人材の賃金水準は平均賃金より4.4%高かったが、2016~2020年には5.9%高くなっており、賃金格差は広がっていた。一方、数学的能力が1単位高い人材は2007~2015年には賃金水準が10.9%高かったが、2016~2020年には9.3%で格差が若干縮小。絶対的な補償水準の格差は数学的能力の保有者の方が大きかったが、最近は賃金補償体系において社会的能力の相対的重要性が高まっていると解釈できる。これは1万人の青年パネル調査(2007~2020年)を用いて社会的、数学的能力と賃金水準との相関関係を分析したもの。

 韓国銀行調査局雇用分析チームのオ・サミル課長は、「今後も労働市場においてはSTEM(科学、技術、工学、数学)専攻者と数学的能力の重要性は最も高く、堅固であると予想される。しかし、社会的能力は自動化とAI技術での代替が難しい比較優位性を持つため、相対的重要性はさらに高まると思う」と説明した。報告書は、社会的業務の強度は高いものの数学的強度は低い職業群として、社会福祉関係の従事者▽作家および報道関係の専門家▽演劇、映画、映像の専門家▽警察、消防、刑務所関係の従事者などをあげている。

キム・フェスン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1144186.html韓国語原文入力:2024-06-10 15:05
訳D.K

関連記事