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サムスンがTSMCに匹敵する米補助金を獲得した背景…最先端工程のギフトセット提供

登録:2024-04-16 06:03 修正:2024-04-16 08:25
投資金はTSMC650億ドルより少ない400億ドル 
最先端工程を早速導入…総合的な産業エコシステム級の施設の多角化
ジョー・バイデン米大統領が2021年4月12日、ワシントンのホワイトハウスで開かれたグローバル半導体企業代表らとの半導体サプライチェーン関連テレビ会議で、シリコンウエハー(半導体基板)を持ち上げて演説をしている/聯合ニュース

 サムスン電子が米国で大規模な補助金を獲得できた背景には、会社が米国に提供した「総合ギフトセット」があるとみられる。サムスン電子は台湾のTSMCより先に米国に最先端工程を導入し、現地にパッケージングと研究開発(R&D)まで含まれた総合的な産業エコシステムを作ると約束したことが分かった。

 15日、米商務省の報道資料によると、「(サムスン電子の投資でテキサス州は)最先端半導体の開発と生産のための総合的な産業エコシステムへと生まれ変わるだろう」と評価された。「総合的な産業エコシステム」はTSMCへの補助金を発表する時にはなかった表現だ。投資金額はサムスン電子(400億ドル)の方がTSMC(650億ドル)より少ないが、内容の面ではかなり異なることが推察できる。

 ひとまず、サムスン電子は最先端工程を米国にも早速導入することにした。サムスン電子は来年、韓国のファブ(半導体製造施設)で2ナノメートル(nm)半導体の量産を開始し、2026年にテキサス州のテイラーファブにもこれを導入する計画だ。最先端技術の導入時期において、国内と米国との差をほとんど置かないわけだ。TSMCが3年程度の時差を置いて2028年に米国に2ナノメートル工程を導入する計画であることとは対照的だ。

 サムスン電子は、米国に最先端ファブのほか、さまざまな施設を建設することも約束した。ファブ増設計画だけを発表したTSMCとは違いがある点だ。まず、従来の計画にはなかった先端パッケージング施設をテキサス州テイラーに建設し、人工知能(AI)に活用される半導体の高帯域幅メモリー(HBM)などを生産する。半導体の後工程に当たるパッケージングは、世界市場で3%水準の米国シェアを引き上げるために、米政府が力を入れてきた分野だ。米国はパッケージングが自国内で行われないことに伴う国家安保・サプライチェーン関連リスクが大きいとみている。

 安全保障と研究開発協力にも重点を置いた。米商務省は「サムスンが提案した投資計画には米国防総省と協力するという約束も含まれている」と明らかにした。サムスン電子はテキサス州テイラーに研究開発ファブを建設し、現地の産業や学界とも協力する計画だ。米国に外国の企業が研究開発ファブを置くのは史上初めてだと米商務省は説明した。

イ・ジェヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/1136736.html韓国語原文入力:2024-04-15 23:31
訳H.J

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