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韓国の泰栄建設危機、他の建設会社へと飛び火?

登録:2024-01-08 08:12 修正:2024-01-08 08:56
韓国信用評価がロッテ、GS、新世界、HDC現産を「モニタリング企業」に 
ロッテ建設、ハナ証券の報告書に対し「現金2兆保有」釈明
ソウル永登浦区の泰栄建設本社。7日撮影/聯合ニュース

 泰栄(テヨン)グループは8日、追加の再建案を債権団に提出する予定だが、ワークアウトの失敗に伴う法廷管理(企業再生手続き)の可能性は消えていない。債権団の構成は多様で利害も異なるため、ワークアウトの開始条件(債権者の75%の同意、信用供与額による)が満たされるかどうかが予想できないからだ。そのため、危機が他の建設会社に飛び火しうるとする市場の分析も出ている。危険群として言及された建設会社の中には、十分な流動性が確保されているとする釈明資料を発表するものもあり、問題に言及した証券会社の報告書が修正されたりもしている。

 昨年末、泰栄建設がワークアウトを申請するまでは、金融市場に及ぼす影響は限定的だった。例えば泰栄建設の社債価格が大幅に下落している中にあっても、社債市場において金利の急騰(価格の急落)現象は見られなかった。これは、ワークアウトが順調に進むことで、その影響も泰栄建設に限定される公算が高いとの見方が優勢だったからだ。

 年明けからはムードが変わりつつある。泰栄建設が示した再建策に対する債権団の反発が高まっているからだ。特に、泰栄建設がワークアウト申請に先立って債権団と結んだ合意も守っていなかったことが確認されたことで、債権団の不満が沸き立った。信用評価機関と証券会社は直ちに相次いで報告書を出し、「建設会社のより分け」に乗り出している。ハナ証券は4日に発表した報告書で「泰栄建設の他にも、プロジェクトファイナンス(PF)の偶発債務リスクと未分譲リスクで流動性が急速に縮小する危険企業が確認できる」とし、「特にロッテ建設は泰栄建設との類似点がある」と明らかにした。韓国信用評価はロッテ建設と共にGS建設、新世界建設、HDC現代産業開発を主なモニタリング企業としてあげている。

 言及された企業は「懸念の払拭」に総力を上げている。ロッテ建設はハナ証券の報告書の発表当日に「現金性資産を2兆ウォン(約2200億円)以上保有している」、「本年中に1兆6千億ウォン(約1760億円)の偶発債務を減らし、安定的な財務構造を確保する計画」などの釈明を書いた報道資料を発表。ロッテ建設に言及したハナ証券の報告書は現在、関連内容が削除されている。ハナ証券はハンギョレに「報告書を作成したアナリストが、ロッテ建設ばかりが(メディアで)注目されることに負担を感じ、内容を削除した」と語った。

 今年上半期中に満期を迎える建設会社の社債の規模は約2兆5000億ウォン(約2750億円)。PF不良の現実化で信用等級が下がれば、借換債の発行の難易度が急激に高まる。韓国信用評価のキム・サンス首席研究委員は、「一部の大企業を除けば、ほとんどの建設会社は金融市場から直に資金調達するのが難しい。借入と偶発債務の負担が大きい建設会社を中心に不安は広がる見通し」だと語った。

 証券市場では高収益を狙った単打現象が現れ、株価の変動性が高まっている。泰栄建設の株価はワークアウト申請前日の12月27日には19.57%下落したが、5日現在、昨年末の終値に比べ33.48%上昇している。特に泰栄建設の優先株は、2~4日と3取引日連続で上限値を記録している。新世界建設と東部建設の株価は、年明けから連日下落している。

チョ・ヘヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/1123346.html韓国語原文入力:2024-01-07 21:51
訳D.K

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