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「ブランチに良い店は?」検索する時代去る…ネイバー、韓国語を深く理解するAI公開

登録:2023-08-25 10:15 修正:2023-08-26 08:12
超巨大AI「HyperCLOVA X」公開 
出処検索を通じて「幻覚」問題72%減 
ネイバーのチェ・スヨン代表が24日、独自開発した大規模言語モデル「HyperCLOVA X」を公開している=ネイバー提供//ハンギョレ新聞社

 インターネットの「ネイバー」の検索窓に「盆唐区のおいしい店」と打ってキーワードで検索していた時代は去り、「週末に盆唐でブランチするのに良いテラスのある食堂を探して」と尋ねる時代がやってくる。韓国最大の検索ポータルでありビッグテックのネイバーは、独自で開発した人工知能(AI)基盤技術とそれを通じて広がるAIサービスを24日公開した。韓国語を深く理解して回答を作るAIを通じて「韓国型AIエコシステム」をリードするという抱負だ。

 ネイバーはこの日午前、ソウル江南区(カンナムグ)のあるホテルで「チームネイバーカンファレンスDAN23」を開き、韓国型生成AI「CLOVA X(クローバエックス)」と巨大言語モデル「HyperCLOVA X(ハイパークローバエックス)」を公開した。HyperCLOVA Xを基盤に作動する「CLOVA X」は、ChatGPTのように質問に答える方式の対話型AIサービスだ。昨年11月、米国のオープンAIが人間の質問にすぐに返事を生成するChatGPTを大衆に公開した後、全世界的に吹き荒れた「生成AI」ブームの中にネイバーが本格的に飛び込んだわけだ。

 ネイバーのチェ・スヨン代表はイベントでの基調演説で「生成AI時代にネイバーはどんな競争力があるのかという質問に答えを持ってこの場に立った」、「この5年間だけで1兆ウォン(約1100億円)以上を研究開発に投資し、大規模言語モデルのHyperCLOVA Xの開発に成功した」と述べた。

■韓国語を理解する国産AI

 HyperCLOVA Xは、ネイバーが2021年に開発したパラメーター2040億個規模の巨大言語モデル「HyperCLOVA」を発展させたもの。今後、ネイバーのAIサービスの基盤となる技術にするという戦略だ。パラメーターとは、AIが人間の言葉(自然語)を理解し答えられるように連結する変数を意味し、AIモデルの能力を示す用語として使われる。

 ただし、ネイバーはHyperCLOVA Xのパラメーターを「超大規模」と明らかにしただけで、正確な数値は公開しなかった。ネイバークラウドハイパースケールAI技術総括のソン・ナクホ氏は「HyperCLOVA Xはネイバーのプラットフォームで毎日更新される高品質の韓国語データを大量に学習しており、内部的にオープンAIのGPT-3.5と競争させてみても75%ほどの勝率を示している」と述べた。

■ニュースなど出処を確認しエラーを減らす

 ネイバーは、CLOVA Xが生成AIの代表的な限界と指摘されるいわゆる「幻覚問題」を最小化したと発表した。これまで、「世宗大王がMacBookを投げた事件」を実際にあったことのように作り出す「幻覚現象」が生成AIの代表的な限界として指摘されていた。ChatGPTのような対話型生成AIはファクトチェック機能がなく、データが不明でも質問と連係した回答を生成するのが限界に挙げられる。

 ネイバーはこのような限界を克服するために、ニュース、ブログ、百科事典などのデータから回答の理由と出処を探す方法で「CLOVA X」を設計し、幻覚現象を72%減らしたと明らかにした。

 ネイバーは同日午後4時からCLOVA Xのベータサービスを開始すると発表した。当分は使用人数を制限する。CLOVA Xは創作、要約、推論、翻訳、コーディングなどが可能だ。「入社面接の練習ができるように面接官になってくれる?」のような要求を受けて、質問を出し続ける対話も可能だ。

 ネイバーは、CLOVA Xがネイバー内外の多様なサービスに簡単に適用できることを長所として挙げた。ネイバーショッピングやネイバートリップとの連係を通じて、商品や場所を推薦した後、購入、予約などの外部サービスを自然に呼び出すことができるよう、システムを拡張していく計画だ。

■複雑なニーズにも対応する検索経験「CUE:」

 ネイバーは来月からHyperCLOVA X基盤の新しい検索サービス「CUE(キュー):」のベータサービスも開始する予定だ。「CUE:」は複雑で長い質問を理解して検索結果を出す。ネイバーが「CUE:」を主要な検索結果として配置するならば、検索広告市場にも変化が予想される。

 チェ・スヨン代表は「『CUE:』はネイバーのショッピング、地域(ローカル)、ペイなどバーティカルなサービスと深くつながる」とし「ネイバー内の販売者とクリエイター、パートナー会社がビジネスをより一層拡張できるよう、強力な技術とサービスで支持する」と述べた。この他にもネイバーは作文ツール「CLOVA for Writing(クローバ・フォー・ライティング)」と、生成AI基盤の広告商品である「CLOVA for AD(クローバ・フォー・アド)」など、HyperCLOVA X基盤のサービスを拡大する予定だ。

イム・ジソン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/it/1105686.html韓国語原文入力:2023-08-24 20:20
訳C.M

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