Linux基盤…‘アリラン’音楽に‘主体’連呼 使用
ウェブブラウザ‘ネナラ(私の国)’,ワクチン‘ビールス ワクチン’等 搭載
ク・ポングォン記者
北韓が独自開発したと知られたコンピュータOS‘赤い星’(写真)がどのようなソフトウェアなのかを知らせる分析結果が国策研究機関から出てきて注目を集めている。
科学技術政策研究院は最近出した報告書<赤い星分析および示唆点>で北韓が開発したコンピュータOSの詳しい内容と技術水準を分析した。北韓は西側世界の先端技術輸出禁止など経済制裁の中でも、大陸間弾道ミサイルを発射するなど科学技術分野で独自技術力を備えていると評価されるが、この間ソフトウェア技術水準についてはほとんど知られていなかった。赤い星は2000年代初期から北韓の代表的なソフトウェア開発機関である朝鮮コンピュータセンターが中心となり開発を始め、最近2.0バージョンが公開された状態だ。科学技術政策研究院が分析したソフトウェアは2008年4月の1.1バージョンだ。
■特徴 赤い星は北韓が全てのものを独自開発したというよりは、開放型OSであるLinuxを基盤として北韓の実情に合うよう修正したOSだ。赤い星で作動する各種応用ソフトウェアも同梱して提供する。低仕様個人用コンピュータ(PC)であるPentium-4に最適化されており、主記憶装置128MB,ハードディスク2.5GB以上を最低仕様として要求する。同梱プログラムを含め2枚のCDで構成されている。マイクロソフト(MS)のOS,ウィンドウズのようにグラフィック使用者環境を支援しており、全体的構成がウィンドウズと似ている。赤い星はMSウィンドウズ用プログラムを活用するため、ウィンドウズ98とウィンドウ2000を支援するプログラムを自ら製作した。
一緒に提供される事務用プログラム‘ウリオフィス’はLinuxのオープンオフィスを基盤にサムイルポ情報センターで開発したものだが、外観だけを変え北韓式キーボード入力方式にのみ適用した水準だ。文書作成機の‘クル(文)’,プレゼンテーション プログラムの‘ソンジョンムル(宣伝物)’,数式処理プログラムの‘ピョ(表)’,データベース プログラムの‘チャリョキジ(資料基地)’等から構成されている。ネナラ(私の国)情報センターで開発したウェブブラウザ‘ネナラ’はファイアーフォックスを使っており、北韓の代表的サイトであるネナラ・国家情報センターなどに直行するようになっている。Linux保安強化プログラムを持ってきた保安プログラムは、管理者が使用者の実行権を制限できる機能があり、自ら開発した保安ワクチンであるビールス ワクチンを搭載した。
政治的な内容はほとんど見当たらず、システム開始の時に‘アリラン’音楽が流れ画面下段の日付表記方式には‘主体’を使っている。
■意味 北韓は国際社会の先端情報技術を取得する際に困難が多く、独自的PC-OSの開発に乗り出したと見られる。特にMSのウィンドウズ システムはソースコードを公開しておらず、使用者がその構造を知りえないばかりか、新しいバージョンのウィンドウズが持続的に供給されるのが現実で、北韓は最新型コンピュータやチップなどを獲得することが難しいため、MSのウィンドウズやソフトウェアに依存することがほとんど不可能な現実だ。ソースコードが公開されていない外国業者に情報保安体系を依存せず、自ら統制できるという点も自主的にOS開発に乗り出した理由だ。
赤い星を分析したキム・ジョンソン科学技術政策研究院南北協力チーム長は「赤い星はアプリケーションが足りず、北韓の中でも活発に普及することは容易ではないと見られる」とし「北韓のLinux開発技術力量は南北科学技術協力の範囲拡大につながりうる」と評価した。キム チーム長は赤い星の持続的な補完作業がなされている状態と明らかにした。
ク・ポングォン記者 starry9@hani.co.kr
記事修正:2010-04-06午後02:36:31
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/414564.html