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「現代・起亜自動車、EVへの転換技術力は良いがビジョンが足りない」米団体が分析

登録:2023-05-31 19:51 修正:2023-06-01 08:13
米国国際クリーン交通委員会の分析 
現代・起亜自動車は20社のうち13位…テスラ、BYDなどに遅れ
EV9=起亜自動車提供//ハンギョレ新聞社

 現代・起亜自動車は、EV(電気自動車)への産業転換をうまく進めているかを見る評価で、世界の大手自動車メーカー20社中13位とされた。技術的側面では良好な評価を受けたが、再生可能エネルギー使用率の低さが足を引っ張った。テスラや中国メーカーの比亜迪(BYD)が相対的に高い評価を受け、日本車が下位グループを形成した。

 米国の非営利機関である「国際クリーン交通委員会(ICCT)」は先月31日(現地時間)、世界の主要自動車メーカー20社がどれだけ効果的にEVに転換しているかを評価した「2022世界自動車メーカー順位:誰がEV転換を主導するのか」を発刊した。同機関は2015年にドイツのフォルクスワーゲングループの排出ガス不正事件「ディーゼルゲート」を暴露し、世界的に注目を集めたところだ。

 報告書によると、現代・起亜自動車はバッテリーのリサイクルと再利用(リパーポーズ)項目では100点満点を得た。充電速度ではテスラに次ぐ2位(75点)に上がった。走行可能距離評価でも73点の高い点数を受けた。

 しかし、再生可能エネルギー購入項目で11点という低い点数を受けた。委員会は「2021年基準で、現代自動車チェコ工場(HMMC)で12.8%、現代自動車インド工場(HMI)で35.5%、起亜自動車スロバキア工場で100%など、一部の再生可能エネルギー供給量が多い国だけで再生可能エネルギーの使用率が高かった。全体的に見れば、現代自動車は全使用電力の2%、起亜自動車は4%だけが再生可能エネルギーを使用している」と説明した。再生可能エネルギーの発電・供給水準が低い韓国の電力インフラのため、現代・起亜自動車は自国内の工場で化石燃料への依存度が高いという意味だ。

 中長期のEV販売目標が他の完成車メーカーに比べて低いという理由で、「戦略的ビジョン」項目でも現代・起亜自動車は20点にとどまった。ICCTのプロジェクトマネージャー・乗用車プログラム責任者のジペイ・ヤン氏は「現代・起亜自動車にはEVへの転換で他の主要グローバル企業に追いつく機会と十分な潜在力がある。様々なEVモデルを披露し、高い性能を通じて消費者に便宜を提供している」と評価しながらも「EV市場でリーダーになるためには、より強力な転換目標を提示する必要がある。何よりも製造工程での脱炭素化を成し遂げるために、今より多くの再生可能エネルギーを使わなければならない」と話した。

「2022世界自動車メーカー順位:誰がEV転換を主導するのか」報告書より//ハンギョレ新聞社

 EVへの転換「優等生」は、テスラ、BYD、BMW、フォルクスワーゲンの順に選ばれた。テスラは市場シェア・技術力・ビジョンで均等に点数が高く、BYDはビジョン点数が相対的に高かった。委員会は「電力使用量があまりに多いテスラとBYDの再生可能エネルギー使用関連点数は0点だった。再生可能エネルギーを使用することはあるが、全工程の中でその比重が低かったためだ。しかし、他の領域の点数がこれを補完して高い順位を維持した」と説明した。BMWとフォルクスワーゲンは再生可能エネルギーの使用で高い点数を得た。最下位グループに属する6社のメーカーのうち、5社はトヨタ、ホンダ、日産など日本の完成車メーカーだった。日本車は内燃機関車やハイブリッド車が中心であるため、EVへの転換が遅いとの評価が多い。

 ICCTは、今回の分析のために中国、EU、インド、日本、韓国、米国からなる6つの市場に関するデータを独自に収集し分析したと発表した。

チェ・ウリ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/car/1094068.html韓国語原文入力:2023-05-31 19:07
訳J.S

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