ドイツのフランクフルト検察が、現代自動車と起亜自動車のドイツとルクセンブルクにある事務所8カ所を家宅捜索した。現地当局は、両社が不法な排ガス操作装置をディーゼル車に装着し販売した疑いをかけられていると明らかにした。
28日のロイターなどの外信によると、ドイツ検察は、欧州連合刑事司法協力庁と共同で、ドイツのヘッセン州、フランクフルト、ルクセンブルクの捜査当局職員約140人を投入し、現地の現代自動車と起亜自動車の事務所を家宅捜索した。
現地の検察は、現代自動車と起亜自動車が、ディーゼル車21万台に不法な排ガス操作装置を装着し販売したとみている。その装置は、ドイツの部品企業であるボルグワーナー・グループ傘下のボッシュとデルファイが生産した部品で、排ガスを浄化する役割を果たしている。検察は2020年までに販売された車両では、低減装置が十分に作動せず、許容値以上の有害物質が排出されたとみている。
これまでドイツ検察は、フォルクスワーゲン・グループの排ガス操作事件「ディーゼルゲート」が起きた後、他の完成車企業に捜査対象を拡大してきた。2015年にはフォルクスワーゲンが、ディーゼル車の排ガス装置の操作により摘発された。同社は、排出ガスを統制するエンジン制御装置に二重のソフトウェアを搭載した。認証試験モードでは有害物質を少なく排出し、実際の走行モードでは多く排出するよう設計したことが明らかになった。
現代自動車グループ側は「(家宅捜索については)具体的な内容は確認が難しい」としながらも、「捜査には最大限協力している」と述べた。
一方、グリーンピースは、ドイツ検察の家宅捜索についてコメントを出した。グリーンピースの気候エネルギーキャンペイナーのチェ・ウンソ氏は、「現代自動車と起亜自動車の排ガス操作が事実だと明らかになれば、2015年のフォルクスワーゲンのディーゼルゲートと同様に深刻な問題」だとしたうえで、「これまで、現代自動車と起亜自動車が対外的に標榜してきたESG経営も、グリーンウォッシング (環境を配慮しているかのように偽装すること)ではないのかを徹底的によく調べる必要がある」と述べた。