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韓国、「交易条件」9年4カ月で最悪…1260ウォン突破が火に油を注ぐか

登録:2022-04-29 06:37 修正:2022-04-29 08:17
「原材料費高騰」に伴い、輸出より輸入の価格上昇幅が増え 
ウォン・ドル為替レート、1270ウォン突破…輸入物価への影響を懸念
28日午後、ソウル中区にあるハナ銀行のディーリングルームの電光掲示板にウォン・ドル為替レートが表示されている。この日のウォン・ドル為替レートは7.3ウォン安の1272.5ウォンで取引を終えた/聯合ニュース

 輸出の好調な勢いにもかかわらず、エネルギー価格の急騰により輸入額が大幅に増え、交易条件がここ9年のうち最悪となったことが明らかになった。ドル高の影響で韓国ウォンの価値が大きく下落している点を念頭に置くと、交易条件はいっそう悪化する可能性が高いとみられる。

 韓国銀行が28日発表した「2022年3月貿易指数および交易条件」によると、3月の純商品交易条件指数は87.30で、昨年同期間に比べ6.3%下落した。昨年4月から12カ月連続で下落が続き、指数の水準は2012年11月(86.88)以降で最低となる。

 純商品交易条件指数は、輸出1単位で輸入可能な商品の量を示す。指数87.30は、商品100個を輸出して得た資金で買うことができる輸入品は87個だという話だ。輸出品の平均価格より輸入品の平均価格が高くなる現象で、コロナ禍とウクライナ問題で原材料費の価格が高値を続けていることに起因する。

純商品交易条件指数の推移=資料:韓国銀行//ハンギョレ新聞社

 このような交易条件の悪化は、輸出額から輸入額を引いた貿易収支集計からも確認できる。今月に入り20日までの累積輸出額は、前年同月比で16.9%増えたが、貿易収支は51億9900万ドル(約6800億円)だった。輸出の好況にもかかわらず、輸入額がさらに大幅に増えたという話だ。これに対し、今年に入ってからの月間基準貿易赤字は、1月と3月の2回も起きた。

 このような状況は、今後さらに強化される公算が高い。輸入品の価格に影響を与える韓国ウォンの価値が大幅に下落しているためだ。この日のソウル外国為替市場で、ウォン・ドル為替レートは1272.5ウォンで取引を終えた。韓国ウォンが1ドルあたり1270ウォンを上回ったのは、コロナ禍初期に経済ショックが来た2020年3月19日(1285.7ウォン)以来2年1カ月ぶり。

 通常、ウォン安(ウォン・ドル為替レートの上昇)は、輸出品の価格競争力を高める効果をもたらすものであり、貿易収支の改善の追い風の役目を果たしたりする。問題は、現在の状況は、そのような肯定的な現象が生じる公算が小さいという点にある。韓国の輸出競争国の通貨の価値は、韓国ウォンよりさらに下落している。具体的には、日本円はこの日、20年で最も安い1ドルあたり130円に達し、中国人民元も2年ぶりの最安値となった状態だ。

 現代経済研究院のチュ・ウォン経済研究室長は本紙に、「韓国の輸出品は主に中国と日本の製品と競争しているが、人民元と日本円がドルに対して下落を示しているため、ウォン安による価格競争力は大きくない状況にある」とし、「ウォン安による企業の輸入価格増の負担の方がはるかに大きい」と述べた。

チョン・スルギ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1040846.html韓国語原文入力:2022-04-28 20:21
訳M.S

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