政府が包括的および先進的な環太平洋経済パートナーシップ協定(CPTPP)への参加をめぐる最終結論を控え、業種別懇談会に乗り出した。今年10月頃、企画財政部や通商交渉本部、外交部、農林畜産食品部、海洋水産部などが参加する対外経済長官会議および関係省庁通常推進委員会を開き、「参加」を最終確定するものと見られる。
通商交渉本部は16日、ソウル中区(チュング)の大韓商工会議所で自動車や造船、鉄鋼、石油化学など17の産業協会・団体関係者が集まった中、利害関係者の意見を集約するための「CPTPP製造業界懇談会」を開いた。CPTPPは、ドナルド・トランプ政権の発足直後、米国が従来のTPPから脱退したことを受け、今年3月、日本やオーストラリア、カナダ、メキシコなど米国を除外した11カ国が協定の発足に署名したアジア太平洋地域の経済統合に向けた自由貿易協定だ。現在、正式発効に向け、参加11カ国で国内批准の手続きが進められている。
通商交渉本部は“参加”の方針を固め、業種別懇談会など「通商条約の締結手続および履行に関する法律」が定めた事前手続きを加速化している。通商当局の関係者は同日、「韓国内部的にも、CPTPPへの参加の可否をいつ決定するかが重要だ。その時期が早いほど、後に従来の11カ国との参加交渉の過程で)私たちに有利になる可能性がある」と話した。CPTPP参加国の最近の動向や参加が決まった際に行うべき国会報告、それに伴う議論・対立局面の通過などを考慮すると、遅くとも10月末までは速やかに結論を出すのが有利ということだ。参加が確定すれば、2013年11月の対外経済長官会議で「関心の表明」を議決して以来、5年ぶりだ。CPTPPは全世界のどの自由貿易協定よりも高いレベルの市場開放を標榜しているため、韓国が参加する場合、農畜水産物業界の被害が大きい恐れがあり、日本と事実上自由貿易協定を結ぶことになって、慢性的対日貿易不均衡が深刻化するという懸念の声があがってきた。
CPTPP参加11カ国は10月あるいは11月に参加国全体会議を開き、新たに参加を希望する諸国との追加交渉に適用するガイドラインを議論する予定だ。ただし、追加加盟に向けた交渉は協定が正式に発効された以降になる可能性が高い。国内批准を完了した参加国が6カ国以上なら、その日から60日後に明らかにCPTPP協定は発効する。これによって正式発効は来年2月頃になるものと予想される。
韓国政府はこれまで米国がTPPに復帰する可能性を念頭に置き、米国と直ちに「同伴参加」する戦略を立て、米国側の動向に神経をとがらせてきた。しかし、米国は当初の予想とは異なり、CPTPP参加国のカナダやメキシコとの北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉をまだ解決できておらず、CPTPP主要国の日本とは二国間貿易協定に向けた戦略に焦点を当てている。