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急増する家計負債、可処分所得の163%に

登録:2020-06-24 20:30 修正:2020-06-25 12:52
韓銀第1四半期集計、史上最高値 
75万9千世帯が1年以内に“限界状況” 
民間負債がGDPの2倍を超える
家計負債=ゲッティイメージバンク//ハンギョレ新聞社

 負債は再び急増する一方で、所得の増加傾向はますます緩慢になり、家計の可処分所得に対する負債の比率が史上最高値を記録した。韓国銀行は、外国為替危機レベルの失業ショックと自営業の売上打撃が続くなら、韓国国内で76万世帯が1年以内に限界状況に達すると展望した。

 韓銀が24日に公開した「2020年上半期 金融安定報告書」によれば、今年第1四半期末基準で家計負債が1611兆ウォン(約143兆円)で、1年前より4.6%増え、直前四半期(4.1%)より増加幅が拡大した。新型コロナによる資金需要と住宅担保融資が増加した影響が大きかった。一方、可処分所得の増加率は5四半期連続で鈍化した。これに伴い、家計の可処分所得に対する負債の比率は、1年前より4.5%高まった163.1%で、統計集計を始めた2007年第1四半期以降最高値を記録した。家計の金融資産に対する金融負債の比率(47.7%)も0.5ポイント上昇した。

可処分所得に対する家計負債の比率 資料出処=韓国銀行//ハンギョレ新聞社

 第1四半期末の企業向け融資(1229兆ウォン=約109兆円)も1年前に比べて11.6%増え、名目国内総生産(GDP)に対する民間部門(家計+企業)の負債は201.1%に達した。民間負債が名目GDPの2倍を超えたのは今回が初めて。

 家計の状況が今のように脆弱なまま、失業率の急騰と自営業の売上減少が続く場合、75万9千世帯が1年以内に流動性限界に直面するだろうと韓銀は予想した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にともなう失業ショックに耐えられる期間が1年未満の賃金労働者世帯は45万8千世帯と推算された。これらの家計は、金融資産などを処分しても赤字の累積による流動性不足に耐えられなくなるという意味だ。また、COVID-19の拡散直後のクレジットカード売上減少率くらいに事業所得が急減する場合、1年も耐えられない自営業者数は30万1千世帯と分析された。これより短い6カ月も持ちこたえられない賃金労働者(28万9千世帯)と自営業者(18万4千世帯)を合わせれば47万3千世帯になる。

 韓銀は「金融資産が少ない臨時日雇い世帯は、短期間のうちに信用不良に陥る可能性が高く、宿泊飲食業などを中心に自営業世帯の不良規模も大きくなるだろう」とし「総合的な雇用安定対策が必要だ」と診断した。

 企業についてもCOVID-19の余波が年末まで続く場合、利子補償倍率が1に達し得ない比率が50.5%に達すると予測された。国内企業の半数程度が、商売で稼いだ金で利子も返せないほどに財務健全性が悪化するという意味だ。昨年、利子補償費率が1未満の企業の比率は32.9%だった。

ハン・クァンドク先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/950792.html韓国語原文入力:2020-06-24 18:23
訳J.S

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