韓国の格安航空会社(LCC)が第2四半期に実績が急落したのに続き、第3四半期の展望も暗い中で危機対応に乗り出している。最近の経営悪化に、日本旅行不買運動の余波が大きかったとは言え、格安航空会社の増加にともなう競争激化と出国需要の停滞により格安航空会社の高成長の流れは一段落したと分析されている。
2日、航空業界の説明を総合すると、チェジュ航空・ジンエアー・エアープサン・ティーウェイ航空・イースター航空からなる韓国の格安航空会社5社の代表は先月30日、韓国空港公社に空港施設使用料の減免を要請する共同請願書を出した。空港施設使用料とは、航空会社が金浦(キンポ)空港や地方空港に支払う料金で、韓国空港公社によれば格安航空会社が多く使用するボーイング737が金浦空港に着陸する場合、着陸料・照明料・停留料として1機当たり98万2000ウォン(約9万円)を払わなければならない。現在、韓国国内の空港のうち仁川国際空港のみを利用しているエアーソウルは、共同請願から外れた。請願書には「日本の貿易規制、原油高、高為替レート(ウォン安)で困難を来している」との内容が入れられたという。共同請願に参加したある航空会社の関係者は「8月末に韓国空港公社と格安航空会社が懇談会を持ち『航空会社が最悪の道を歩んでいるため、空港使用料の減免が必要だ』との意思を伝えた」と話した。空港使用料の減免は、MERS(中東呼吸器症候群)事態、中国のTHAAD制裁時にも施行されたことがある。
格安航空会社の危機感は、夏季休暇シーズンが含まれた「航空業界の最大需要期」である第3四半期を含め第4四半期にも悪い成績となる可能性が大きいことから始まったと見られる。ウォン安のためにドルで支払う航空機賃貸料と燃料費負担が大きくなったうえに、日本旅行不買運動の直撃弾を受けたせいだ。ウォン・ドル為替レートは、今年第1四半期に平均1125.08ウォンを記録した後、第2四半期は1165.9ウォン、第3四半期は1194ウォンに上昇している。国際原油価格もまた、中東地域の混乱で原油高の流れが続く可能性があり、日本ボイコットの影響で日本路線の比重が最大67%に達する格安航空会社に打撃が大きかった。
ただし、日本旅行の需要が回復しても、格安航空会社が過去の“高成長”局面には戻らない可能性が高い。格安航空会社の増加にともなう競争激化に加え、出国需要自体が大きく膨らんでいないからだ。3月に新規許可を受けたフライ江原(カンウォン)・エアープレミア・エアロケイの3社は、予定通り進めば来年までに運航証明(AOC・安全免許)認証と公式就航を完了すると見られ、韓国の国籍航空会社は大型航空会社(FSC)を含め11社に増えることになる。
出国需要も日本ボイコット前から停滞している。韓国観光公社の統計とサムスン証券の分析によれば、内国人出国者数は2012年以後の6年間に年平均13%ずつ成長し、2018年には上半期に前年同期比で13.4%成長したが、下半期は前年同期比3.6%に鈍化した。サムスン証券のキム・ヨンホ研究員は「過去6年間、格安航空会社の短距離路線を中心とする出国需要の成長で、韓国人の短距離路線内旅行地に対する経験が積まれ、成長の流れを主導した20~30代の海外旅行の需要のさらなる成長余力は制限的」としながら「景気鈍化および為替レート上昇などの対外要因まで非友好的という状況が続いており、出国需要の成長減速は避けられないと展望される」と話した。