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政府、「南北経済協力調査・研究」のコントロールタワー構築を検討

登録:2018-05-22 05:40 修正:2018-05-22 10:45
首相室傘下の経済人文社会研究会中心に 
散らばった北朝鮮研究機関らの力量を集める 
金融界も対北朝鮮事業の準備を加速化
4月27日、文在寅大統領と金正恩国務委員長が南北首脳会談の晩餐会で対話を交わしている=板門店/共同写真記者団//ハンギョレ新聞社

 板門店(パンムンジョム)宣言の履行のため、南北経済交流・協力分野の調査・研究を総括する政府レベルの「研究機関統合南北経済協力タスクフォース」が構成され、国家レベルの総合研究を率いることにする案が進められている。統一研究院と韓国開発研究院(KDI)など26の政府出資国策研究機関を支援・管理する首相室傘下の経済・人文社会研究会がコントロールタワーの役割を果たし、南北経済協力調査・研究課題を大きな枠組みで遂行する新しい組織を作る計画を推進中だ。

 21日、経済・人文社会研究会の国策研究戦略センター関係者は、ハンギョレとの電話インタビューで「ソン・ギョンリュン経済・人文社会研究会理事長が最近、『それぞれの国策研究機関に散在している北朝鮮関連研究陣を集め、国家レベルで北朝鮮関連研究課題を統合的・総合的に担当するタスクフォース(TF)を構成する必要性があり、議論しなければならない』という考えを明らかにした」とし、「急変する南北情勢に合わせて、北朝鮮関連の研究・調査及び政策提言の力量を一カ所に集めた新しいタスクフォースを組織する必要があるという意見が、さまざまな国策研究院長らから相次いで提起されている」と話した。これによって、今月3日に発足した「板門店宣言履行推進委員会」(委員長イム・ジョンソク大統領府秘書室長)と経済・人文社会研究会が主軸となって、南北経済協力研究・調査タスクフォースを構成する可能性が考えられている。チャン・ジサン産業研究院長は最近、ハンギョレとの電話インタビューで「南北経済協力研究・調査は経済・人文社会研究会が主導し、各研究機関の専門研究者を集めて総合対応する新しい組織を作るのが望ましい」と話した。北朝鮮の産業・エネルギー・インフラの実態を、独立かつ散発的に調査・研究してきた従来のシステムから脱し、国家レベルで対応すると共に、純粋な研究レベルを越えて南北経済協力分野・目標・段階的な推進など「実行に向けた政策」を当局に提言する組織を構成すべきということだ。

 タスクフォースは一時的組織ではなく、研究機関を網羅した中長期の北朝鮮研究ネットワークの性格として構成される見通しだ。経済・人文社会研究会の関係者は「南北関係情勢の変化に合わせて、朝米首脳会談の結果や対北朝鮮経済制裁にかかわらず、統計・調査など北朝鮮関連研究を持続的で統合的に行う必要がある」と話した。現在、国策研究機関の北朝鮮経済研究組織には、韓国開発研究院の北朝鮮経済研究部、対外経済政策研究院の統一国際協力チーム、国土研究院の朝鮮半島・北東アジア研究センターがあり、産業研究院やエネルギー経済研究院など研究所ごとに北朝鮮専門家がいる。長い間北朝鮮経済研究活動を行ってきた韓国銀行の北朝鮮経済研究室と民間の現代経済研究院統一研究センターもタスクフォースに加わる可能性がある。

 一方、南北関係の進展に備えた民間金融界の動きも加速化している。新韓金融持株は23日に開かれる「グループ経営会議」で、今後の南北経済協力戦略の方向に対する討論を行い、早ければ今月中に各系列会社が参加する南北経済協力対応の協議体を設け、事業推進戦略をまとめることにした。KEBハナ銀行も「対北朝鮮金融支援タスクフォース」を近く発足させ、政府レベルの経済協力の活性化の動きに歩調を合わせて、長短期金融支援や事業化の可能性を検討する計画だ。ウリ銀行は今月9日「南北金融協力タスクフォース」を最も早く発足させた。ウリ銀行開城(ケソン)支店の再開設など、従来の南北経済協力事業を回復し、政府主導の対北朝鮮インフラ事業が推進されれば直ちに金融諮問と与信提供に乗り出す計画だ。

チョ・ゲワン、チョン・セラ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/845631.html韓国語原文入力:2018-05-21 22:44
訳H.J

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