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“庶民の足”1トン小型トラック「ポーター」10万台販売、苦い新記録

登録:2018-01-03 21:12 修正:2018-01-04 17:01
生計型小型トラックの代名詞 
発売から31年ぶりに年10万台突破 
庶民経済と密接な関連 
代表的な景気不況指標 
起亜自動車のボンゴも最高販売量を更新
現代自動車の1トントラック「ポーター」=現代自動車提供//ハンギョレ新聞社

 24年間サラリーマン生活をして昨年末に退職したBさん(49・ソウル、東大門区)は、この頃小型トラックの購入を考えている。通信網の設置業を営む大企業の子会社で仕事をして、昨年のリストラで同僚30人余りと共に退職した。Bさんは「先に会社を去った同僚3人が、各自1トントラックを購入して、個人事業者として宅配の仕事をしているという話を聞いて、価格を調べている」と話した。Bさんの場合のように、小型トラックの需要が増えて、昨年現代自動車の1トン小型トラック「ポーター」が10万台以上売れた。3日、現代自動車が集計した昨年の販売現況によれば、ポーターの販売量は10万1423台で、発売から31年ぶりに初めて10万台を突破した。韓国国内で売れた自動車の中で、単一車種としてはグレンジャーに次ぐ2位であり、トラックやバスなど商用車の中では最高だった。昨年10万台以上販売された車両は、グレンジャーとポーターだけだ。また、起亜自動車の1トン小型トラック「ボンゴ」も昨年6万2184台が売れ、2015年に続き最高販売量を更新した。

 小型トラックの販売増が目を引くのは、景気の影響を大きく受ける代表車種であるためだ。ポーターやボンゴは、路上で野菜や果物を売ったり、引越し荷物、宅配、フードトラックなどとして主に使われる。自営業者が生計の手段として多く使い、自動車業界では代表的な景気不況指標に挙げられる。景気が悪くなれば自営業に飛び込む人々が増え、小型トラックの需要が増えると見ているためだ。

 それだけ景気が良くないということを意味するので、苦い後味が残る。それでなくてもマクロ経済指標と庶民経済間の乖離が拡がっている状況で、人々が肌で感じる実物経済は依然として冷たいということを物語るためだ。最近の証券市場の活況とも対照される。

「ポーター」と「ボンゴ」の販売量推移=資料:現代自動車・起亜自動車//ハンギョレ新聞社

 小型トラックは移動距離が長い上に使用頻度が多いため、他の車種より買い換え需要が多い。これを勘案しても最近の販売増加傾向は庶民経済と密接な関連があると専門家たちは分析する。韓国自動車産業協会のソン・ソクキュン首席委員は「景気の不振で昨年フードトラックが大幅に増え、早期退職して自営業に飛び込んだ会社員も多くなった」として「ベビーブーマーの名誉退職時期まで重なって生計型小型トラックの需要は継続的に増えている」と話した。

 そのうえ価格まで上がったのに需要はさらに増えた。現代・起亜自動車は昨年9月からヨーロッパの強化された排出ガス基準である「ユーロ6」を満たした新型ポーターとボンゴを生産し販売している。窒素酸化物など排出ガスを減らすために低減装置を付け、これまでの1440万ウォン(スタンダードモデル基準)から1520万ウォン(ボンゴ)、1530万ウォン(ポーター)に80~90万ウォン上がった。出庫価格が上がれば需要が萎縮しがちだが、ポーターの昨年12月の販売量は前月より30%以上急増した。現代自動車の関係者は「ポーターの活用性が優れ、商品性も強化されたためユーロ6適用以後にも需要が着実に増加している」として「当分こうした傾向は続くだろう」と話した。

ホン・デソン、チョ・ゲワン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/car/826191.html韓国語原文入力:2018-01-03 18:39
訳J.S

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