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育てて分けて食べる‘芸能システム’大手術が当然

原文入力:2009-08-11午後02:15:51
‘反復される紛争’倫理性より産業構造問題と見なければ
‘標準契約書’より管理・企画・交渉業務の分離が更に至急

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東方神起で探ってみた‘奴隷契約’
この頃また芸能界が騒がしい。年初に一人の女優の自殺から芸能界のゆがんだ接待文化が暴露され世間の関心を集めて、最近では我が国を代表するアイドルグループが所属会社を相手に訴訟を提起した。その主張の要旨は契約期間が過度に長く、所属会社が過多に収入金を絞り取り、途方もない違約金により不当な待遇を受けたということだ。今回の訴訟は最高の人気グループが提起したという点で大いに関心を集めているが、その中を覗いて見れば事実上去る十数年間続いてきた芸能人と所属会社間の奴隷契約紛争と別段違うところがない。

それでは、なぜ芸能界ではこういう奴隷契約の問題が反復されるのだろうか?

最近公正取引委員会は芸能人専属契約の不公正な条項に対し積極的に是正命令を下し、業界標準の専属契約を作りこのような問題を解決しようとする措置を取った。ところが深刻な問題はこのような公正取引委員会の標準契約でも芸能界の奴隷契約問題はそれほど簡単にはなくならないという点にある。

奴隷契約は我が国芸能界の後進的システムに由来する。いわゆる“配兵数式モデル”と呼ばれる“芸能人育成”システムの問題だ。チェ・ジンシルとオム・ジョンファのマネジャーであったペ・ビョンス氏以後、大部分のマネージメント事業は芸能人を“育てて”成功させた後、その収入を分け合う構造を取った。このシステム下では所属会社が芸能人らの歌の勉強,演技訓練,整形手術,はなはだしくは宿泊と車両,運転手,美容室に至るまで全ての責任を負ってくれる。

米国の芸能人らが自ら勉強し地方都市のバナー演劇舞台から活動を始め能力が認められればエージェントとの契約を通じてブロードウェーやハリウッドに進出するのとははっきり違う。

このようなシステムでは新人芸能人が普通で訓練期間2~3年,成功するまでの無名期間2~3年を経て成功をするため、平均5年ほどの投資期間が必要であり、したがって契約期間を10年程度の長期間にしなければ投資金の回収が難しくなる。また10人の芸能人を育てても、わずか1,2人だけが成功するために、その間に失敗した他の芸能人らに対する投資費用までを回収するために所属会社は成功した芸能人からさらに多い金額の収入分配を要求する他はない。そして所属会社の唯一の財産である成功した芸能人が所属会社を離れることを防ぐために違約金を何度も高めていく現象も出てくることになる。

したがって奴隷契約の問題は所属会社の不道徳性や倫理性にその理由を求めるよりは、芸能界の産業構造の問題として把握しなければならない。このような“芸能人育成”システムを継続して維持する限りは私たちが奴隷契約だと非難する専属契約の問題点を根本的に解決することは難しい。芸能界の産業構造の実質的改善なしに標準専属契約書を強制することでは大きいな実効をあげるのは難しい。すでに芸能界では外部的には公正取引委員会の標準契約書を字句修正なしにそのまま締結するが、実際には付属合意書という名目で裏面契約を締結し始める現象が広がっている。

今や私たちも芸能界の“芸能人育成”システムを“芸能人支援”システムに変えることを考慮する必要があるようだ。マネージメント社の基本的な役割は芸能人を商品のように作り出すのではなく、芸能人を助け支援することにあるという原則への回帰だ。究極的には米国のように芸能人の管理業務(マネジャー)と企画,交渉業務(エージェント)を区分するシステムに進むことが望ましい。マネジャーは芸能人の活動とその他スケジュール管理を支援し、演芸活動の企画と外部出演を交渉する業務は独立したエージェントが担当するシステムのもとでは芸能人がマネジャーに従属したり隷属化される危険が少ないためだ。

結局芸能界の奴隷契約の問題は、産業構造の大々的な手術を通じなくては解決しにくい問題であり、そのような点でわが政府が関心を傾けなければならない分野だ。

チェ・ジョンファン弁護士

原文: https://www.hani.co.kr/arti/culture/entertainment/370614.html 訳J.S